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57.それぞれ


応接室にて今後の予定についての話をしていると、ライラが挨拶をしに来た。



「初めまして。ロイヴァルッシュ・ヴィ・グランツェッタのむすこのライラ・ヴィ・グランツェッタと申します」

「こちらこそ初めまして――」



ランス達も自己紹介を終えた。



「おとうさまから聞いていましたので、ランスと呼んでも?」

「もちろんです」

「俺らのことは呼び捨てでいいっすよ」

「分かった。よろしく。それとおとうさま。バルナから夕食の準備が出来たと」

「ならダイニングへと向かおうか」



ライラが夕食の準備が整ったと言われたので、皆でダイニングへと向かった。


ダイニングでの座り位置は、私とライラはいつもの場所に座り、ランス達は私から見て左側へと座った。

テーブルの上には食事するためのセットがなされていた。皆が座り終わるのとスロウが、部屋に入ってくるのはほぼ同じだった。


我が家で振る舞われた食事は、ランス達が満足するものとなった。

ジャルとゼイラルに至ってはおかわりをしてくれた。育ち盛りなのかと思うほど。その食べぶりに給仕をしていたスロウも満足そうだった。


食後のデザート中は話をしながらだったため、私の名前を呼んだランスに『ロシュ』と呼んでくれと言っておいた。ジャルとゼイラルも。さん付けではあるが呼んでくれた。


私はデザートすら1度目のおかわりをするジャルと同じくらいに食べ終わり席をたった。



「ロシュさん?」

「すまないがまだ仕事が片付いてなくてな。今日はこれで失礼する」

「おとうさま、今日くらい休んだ方が……」

「それはここにいる全員に当てはまることだ。ここでおしゃべりをし続けるのはいいがライラ、それとランス、夜更かしはするなよ?騎士の2人も」



私は返事を聞くことはせず、そのまま執務室へと向かった。


ダイニングの外で私達の邪魔にならぬように待っていたバルナ、サジリウスにそれぞれ指示を出し、アリエスは特に何もなかったので。



「アリエス」

「はい」

「私はもうこのまま仕事をしてから、寝る。今日の仕事はここまでだ」

「せめてロイ様の入浴まで……」

「今日は帰って明後日からまた働きに来い」

「……かしこまりました。また明後日からよろしくお願いいたします」

「あぁ」



もう帰るようにいいつけた。言っておかないとこのまま執務室までついてきて仕事が終わるのを待っていそうだと思ったからだ。



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