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53.疲労の蓄積


trick or treat?


風呂場の前のドアでランスが出てくるのを待っていると、シリウスも合流した。



「無事、皆に伝え終わりました!」

「そうか」

「それと、ベガさんから『自分とレオの休暇はいつまでか聞いてほしい』と言われました」



そう。私の専属騎士の2人が私の側から離れたのは、休暇のため。何日間もの遠出をした日から時間~何日間まで休暇を与えている。ベガはその明確な日時を知りたいというのも当然だな。そこだけ伝え忘れていた。いや。忘れていたことはもう1つあったな。



「そうか。忘れていたな」

「・・・」



その言葉に見つめた先にいた者が視線だけを私から反らした。自分でも分かっていたのか。



「アリエス。お前も休暇を取れ」

「嫌です。それに今はお客様もいらっしゃるので、人手はあった方がよろしいかと」



確かに人手はあった方がいいが、馬車に乗り続けていたアリエスの身体には、疲労が蓄積されていることだろう。

多少強引にでも休ませるか……。



「今から明日いっぱい休むのと、後日3日間休むの。どちらにする?」

「…ずるいです」

「疲れさせていると思うと心苦しいのだ。分かれ」

「アリエスさん!休みましょう!後日をいつにされるか分かりませんし!」



私の言葉に乗ってくれたシリウスだが、後半の言葉に意味深なニュアンスを感じ取った。



「トゲのある言い方だな」

「前に屋敷の使用人達で行われた剣術対決の日に、休みを取らされましたから!」

「シリウスがその前に、イブランからの指導で筋肉痛を起こしていたからな。無理はさせられん」



剣術対決に向けてイブランに指導を願い出たが、無理をしすぎたらしく、筋肉痛になったのだ。



「筋肉痛ごときに負けません!」

「筋肉痛で動きを鈍させるよりは、全力で戦いたいだろう?」

「うっ……」



心意気があったからこそ、全力で挑ませてやりたかったのだ。筋肉痛のせいで負けて悔しい気持ちを持つより、出られない方がまだマシだろう。剣術対決は約3ヶ月に1度あるのだから。



「さてアリエス。いつから休む?」

「今日中は、まだ働けます。自分の体調を分かった上で言っています」

「……はぁ、分かった。明日だけは休めよ?」

「はい」



本当に休んでくれるかどうか……半信半疑だな。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




剣術対決とは。

くじ引きで決められたトーナメント表に従い、1対1で行われる勝負事。

ただし、イブランは強すぎるため、優勝者とエキシビションのみ参加となっている。



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