371.剣術対決。午後の部。
おはようございます
いつも通りの昼食を終えると、剣術対決が再開され、午前とは違い洗練された動きの者達のみが、順当に残っていた。
残り8人となった中にはレイラも残っており、勝てば次の私の相手となったが、メダに敗れ私と戦うことはなかった。
そのメダと対決することになったのは私なのだが、メダは私と剣を打ち合うことをなるべく避けていた。
手数で押させるのを警戒しての事だろう。
だが、そのせいで間合いを見誤り範囲からの離脱で負けた。
……剣術での勝敗でなかったことに私もメダも不完全燃焼だったが、やり直しは聞かない。
また今度やればよい。
そして1番長引いたであろう最終戦前の第16戦、レオとオリオンの対決。
剣術対決で最も苦戦を強いられるであろう騎士同士の戦い。
例え実力差があったとしても、相手がどう攻めてくるのかがわかってしまえば、避けられる。
手数の多いオリオンと、反射神経を用いて避けていくのレオ。
先に疲弊を出した方が負ける攻防。
こんなにワクワクした戦いは久しぶりに見た。
それにこれに勝った方が私と戦うのだ。どちらが勝ち上がってきても楽しくなりそうだと思いながら、観戦をした。
結果。
先に疲労を出したのはオリオンだった。
攻めの攻撃をしていた彼だったが、腕が痺れてきたのだろう攻めの体勢を変えようとしたところを隙と見いだしたレオは、彼の木刀を弾き飛ばし、彼の喉元に木刀の先を突きつけ、降参を宣言させた。
これはあくまでも剣術対決だ。
木刀が手から離れ、取りに行けない時点で降参を宣言するしかない。
まぁ、木刀さえ持っていれば体術を使っても良いのだが。
それに持たずにやっては武術対決となってしまうからな。
最終戦。
しばしの休憩ののち、私とレオの対決が始まった。
レオからしたら連戦となるが、そこで使う体力を調整しておくもの実力。
後を見越さず全力を出しきってしまうような騎士はここにはいない。
――ジリジリと間合い図るロシュとレオ。
先程のオリオン戦で用いた反射神経はロシュには通じない。
むしろ反射も手数もあるため、攻防が始まれば休む隙はレオにはあまりないだろう。
ただロシュにも劣るものはある。打撃力だ。
剣の打ち合いとなれば押されるのはロシュの方。
そのため2人は無闇に近づかず距離を取り、一撃必勝を狙っている。
木刀を手から離させる打撃方法は両者ともに知っている。
ロシュも打ち合いとなれば押されるが、一撃ならばそんなものは関係なくなる。
レオの方は打ち合いにさえ持ち込めば勝機が上がる。
ピリピリとした緊張感は2人の横から吹いた強風により崩れた。
勝負は一瞬。
木刀が手から離れ、降参を宣言させたのは……
ロシュだった。
剣術対決の最終勝者はロシュで幕を閉じた。
のちにレオは敗因として、疲労を出したのがいけなかったと語った。
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次回最終話。
次回更新は12月23日となります。