表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
355/372

355.平常心と乱れぬ心


おはようございます



――ゼイラルに対しての全てを聞き終えたアリエスは、ロシュに自身の感情を押し殺し、『全てはロイ様の想いのままに』と言葉を発した。


聞き始めの取り乱しがなかったかのように淡々と答えるアリエスだが、ロシュの気持ちが本物だと分かった以上、仕える自分は主人を思い、それを受け入れるしかない。が。

すんなりと受け入れられるほど、冷静ではないと自身でも分かっていた。

だからこそ、自分はこれ以上ロシュとの対話をしていても、意味はないと判断し、対話を切るような言葉をかけたのだ。



「ロイ様。レオにはお話になられるのですか?」

「…そうだな。話すつもりだ」



居心地が悪くなるのを避けようとしてくれてるのか…。



「では今から呼び入れますか?」

「あぁ。頼む」



――ぎこちない応対になる前に、アリエスは外で待機しているレオと入れ替わるように出ていった。

ロシュは彼女の行動をある程度理解した上で、何も聞かずに流された。







アリエスと代わって入ってきたレオにも、私はアリエスと同じように語った。

1度話したからか先程よりはスムーズに語れた。



「そっか」



――ただしレオはロシュが考えていた通りの反応を示した。



「やはり素っ気ないな」

「そんな気はしてたから」



そんな気はしてた…か。



「レオ。1つ聞くが、ゼイラルと2人きりにしたのはわざとか?」

「うん」



何の躊躇いもなくそうだと言われて私は呆れるしかなかった。



「何故、2人きりにしようと思った?」

「何か進展があるかなって思って」

「進展を望んでいたのか…」

「うん。ロイ様がゼイラルを異性として見て恋愛する、もしくはゼイラルが告白して玉砕。の、どっちかに早くなってほしかった」



玉砕は進展というより結末だろう…。



「レオには、そんなにじれったく見えたのか」

「前までのロイ様なら様子見なんてしなかった。だからもう、答えはあるんだろうなって思った」

「なるほどな…」



レオも良く見ているな。



「でもアリエスは気がつかなかったんだね」

「そう、みたいだな。もし気がついていたら、両思いの方を最悪と考えて行動していただろうな」



私に男を近寄らせるのすら煙たがっていたからな。



「もしくはロイ様が隠すの上手くなったとか?」

「ははっ。それならレオに隠せてないのは可笑しいだろう?」

「ロイ様は態度とかが男っぽいから――」

「だから自分(レオ)は気がつけたと?」



――ロシュは別にレオの言葉に被せるつもりはなかったが、同性にだけ隠し事が上手くなったと言われ、悲しさで少々不機嫌になってしまったのだ。



「多分……ロイ様。俺、何でって聞かれても分からないから、聞かないでほしかった」

「聞いたつもりはなかったんだかな」

「問われてる気がした」

「それはすまないな」



――レオはただ、隠し事をするときは態度から隠すことから、ロイがアリエスに隠せたのだとしたら、態度なのでは?という1つの回答をしようとしただけだったのだ。


ロシュのいらぬ早とちりのせいで、レオは危うくロシュから不満をぶつけられるところであった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





もしよろしければ、感想・ブックマーク・評価などお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ