351.順序があるのです……。
おはようございます
ゼイラルの家から我が家へと帰ってきた私は夕食後。
再び古参の3人―バルナ、サジリウス、イブラン―を自室へと呼び出していた。
話す内容はもちろん、ゼイラルへと告白したことだ。
一般的とされている告白とは違うだろうが、私としては告白のつもりで好きだと告げたのだ。
今はある程度、気持ちにも余裕が出てきたからな。
3人に達観して話ができるだろう。
――ロシュは集まった3人に前置きは無しに、今日あった出来事をすらすらと話始めた。
私が伝えられることは全て伝え終わると開口一番。
バルナは私を叱咤してきた。
『いくら好きで想いを伝えると言っても、順序というものがありますっ!』
その言葉から始まった彼女の怒りは凄まじく、ここまで怒らせるつもりはなかったのだが……。そう思っていた感情すら読み取られさらに彼女の怒りに拍車をかけてしまった。
――5分後。
ようやくバルナの叱咤が終わった。
バルナの話を要約すると『告白というのは相手の気持ちを思いやってからするべき。動揺させるものではない』ということだった。
分かってはいたが、あの瞬間に伝えたかったんだ。衝動的なものはやはり抑えられるものではない。
まぁ、今後はないようにしよう。
それからイブラン、サジリウスも自分達の意見を話始めた。
サジリウスは事実を受け止め、ゼイラルが受け入れる前提で書類を揃えておいた方がいいと、婚姻準備をしようと伝えてきた。
確かに受け入れられたら書くことが多いからな。書類を取り寄せる時間が取られるよりは事前に用意しておいた方が楽だろう。
それにもし必要としなかったら、レイラかライラの時に保存しておけば良いだろう。
――婚姻書類、結婚書類は街の役場に申請し製作される。これは偽造結婚防止のための処置である。
そのため保存して置くのは本来なら駄目である。が、グランツェッタ家は貴族でありながら恋愛や結婚が自由であることが関係して、特例でそれが免除されている。
ただグランツェッタ家にはそのための書類が保管されていたのだが、先代(ロシュの父)が娘(ロシュの姉)に使ったまま補充はされていなかった。
その頃の先代曰く、『ロシュが結婚するとは思えない!というか、成長したら王都へ行って騎士にでもなりそうだしな!まだいいか』という考えでいたため、補充をすることはなかった。
しかしその考えは覆され、ロシュは今婚姻か失恋かの2択まで来ていた。
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休載日。水曜、土日。