341.経過~1ヶ月~
おはようございます
オリオンとの会話から日数が経ち、ようやくいつも通りの和やかな日常を取り戻したグランツェッタ家内。
オリオンにとってはゼイラルの身辺調査であり、プロキノにとっては楽しい旅行である旅路へと赴いていった。
少し賑やかさは減ってしまったが、それでも全体的に士気が暗くはなったわけではない。
むしろ土産話が楽しみだとライラとレイラ、そしてプロキノの両親は言っていた。
もちろん私も色々と聞かせられるのは楽しみである。
そこから約1ヶ月の時間が経ち、侵入者が荒らした私の自室の修理が完了した。
グランツェッタ家が世話になっている建築屋達のおかげで、ほぼ同じ内装となった。
さすがに長年でついた色褪せなどは再現が難しかったようだが、できうる限り近づけてはくれた。
それに壊れた家具は、使えそうな物には木を埋め込み塗装し直すことで、再利用ができるよう施してもらった。
一応、両親も使っていた家具達だったため、愛着があることを悟り、我が家の使用人が職人に頼んだらしい。
まったく……嬉しいことをしてくれたものだ。
それと平行して全窓に鉄格子が設置され、ドアや扉も一部2つ鍵の戸となり、騎士達に行わせていた警備強化も解かれた。
仕事が無くなった騎士達は街に何人かで赴き、街の騎士達との交流と治安の調査をしてくれている。
騎士達がいなくなったことで、『我が家は安全だ』というのを敵味方に教えているようなものだが、あの侵入者のようは無知でない限り『隙ができた』などとは思わんし、今頃やが我が家に頑丈な鉄格子をつけたと触れ回ってくれているだろうしな。
私達の平穏を妨げる攻撃性のある敵は今のところは出てこないだろう。
貴族同士でも領民でも、できれば言葉で語り合い解決する方法が一般的だからな。
……実力行使でも構わないが。
あとはほぼいつも通り。
…いざこざで中断していたゼイラルとの文通も再開したしな。
まぁもちろんだが、使用人達の手紙の確認も健在だ。
アリエスには『文通を続けるのですね』と不満そうではあったが、反発するようなことはなかった。
さすがに体調にまで影響して侵入者は自分のせいだと言っていたゼイラルに、少しは同情を抱いたのかもしれない。
同情でも何でもゼイラルへの態度が緩和したのならば、私としては嬉しいことだ。
――再開した文通により、ロシュとゼイラルは街での食事を取り付け、日時が決定したのだった。
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