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340.過去からの心配


オリオンは涙を拭い、心を落ち着かせると語りだしたのは、姉との話だった。


まだ姉が生きており、お腹にライラとレイラがいた頃。

オリオンは、姉と私が結婚できないかもしれないという話をしていたらしい。


姉は幼いながらに成長が早い私を見て、父に似てきて仕事人間になりそうで、家庭を持つことを億劫になりそうだと心配していた。

人のためと動けるということは自分のことが疎かになり、人間関係が上部だけになりそう。

『今後、父のあとを継ぐことになるのは自分の夫だけれど、ロイは参謀とかどこかの街の長になって、独身を貫きそう』だと。


確かに幼いながらに、この知識を誰かのために役立ちたいとは思ってはいたこともあった。

まさかそこから結婚できないとまで思われていたとはな。



「だからもしロシュが1人になることを選んだのなら、せめて友人のように支えて人間味ある人であり続けるようにしようってな」

「人間味か。確かに仕事だけしてたら無愛想な者になりそうだしや」

「だろ?」

「バルナもサジリウスも、友人になるには仕えている年数のせいで見れなさそうだしな。他の者だとタメ口など使ったら精神的にやられそうだ」

「確かに。けと今ならレオとかサヤンキがいるだろうし、案外楽にできるよなー」

「ふ。そうだな」



――見守っている使用人というよりは、一緒に悩んでくれる、それこそより家族や友人のような存在とだなと考え、嬉しさで笑みをこぼした。

姉の仕事人間となり、1人になるであろうという予想を覆せたことによる笑みも、そこには含まれていたのだった。









泣いたのはその会話が懐かしくて、自分の想いが強かった頃だったからだという今更ないいわけをしたオリオンだったが、ゼイラルの調査は念入りにすると予想よりやる気に満ちていた。


いつもこれくらいのやる気を出してくれたなら、もう少し周りの評価も少しは良くなるだろうに…。

まぁ、評価を気にする者ではないが。



「あーでも、可愛い子とおしゃべりできないのは残念だなー。この国とはまた違った可愛い子がいるだろうに」

「……」



――ロシュは同行するプロキノへオリオンが女性を口説く行為をしないよう制御の手綱を握ってもらうべく。

少々オリオンのできれば知られたくないと言っていた秘密を聞かせて、脅してでも手綱を握らせようかと一瞬考える程には、やる気を出したことに感心した自分に後悔を抱いたのであった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





あす土曜日とあさって日曜日は、投稿はお休みとなります。

次回投稿は10月26日月曜日朝9時です。


また彼女に会いに来てくれると幸いです。



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