338.聞き及んだ者達
――翌日。
ゼイラルは朝食を食べてから帰ってもらった。朝はきちんと食べた方が育ち盛りには良いだろう。
朝食後はティータイムの最中に、バルナから無事に話を終え了承
を得たそう。
クエリアは『次は家族旅行にしますから、予定詰めは進めておいてくださいね~』と、次回(休暇)を用意して家族旅行へと行くから、今回は大丈夫だと、即了承。
スロウの方は行ったことのない場所に行くなんてと言っていたが、やはりプロキノの意志を尊重たいといい、了承したそう。
そのプロキノだが、話を聞いた先程。嬉しさのあまり、飛びはねて喜んだと、ライラ達がダイニングから出ていった後に、座っている私の膝に抱きつき、話してくれていた。
「それじゃあぼく、お父さんにもありがとうっていってくるねー!」
「あぁ」
現在、私を含む自身の旅行を許してくれた者達へお礼参りをしているそうだ。
まぁ、嬉しいのは良いことだが、スロウには怒られるだろうな。寝間着のまま外を出歩いて、ここまで来てしまっていたのだから。
ダイニングでのティータイムのあとは、いつも通り執務室で仕事をしていた。
――バン!!!
すると突然ドアが勢い良く開かれ、大きな音をたてた。そこには息をゼェハァとさせながらこちらに向かってくるオリオンがいた。
「どうしたんだ?」
「どう、したって……分かん、ない?」
私なら分かるだろうと言いたげなオリオン。
「あぁ」
私は分からないと返答したが、思い当たるとすれば、旅行(オリオンは調査)の事だろう。
行きたくないから直談判しにきた所か。
ただ詳しく話されて今、アリエスに聞かれても少々面倒な事になりそうだと思った私は、彼女を『オリオンは大事な話があるようだ』と言って部屋の外へと待機させた。
だがそれならば飲み物が必要だろうと、出ていく前に私とオリオンの分の飲み物を用意してくれた。
その頃にはオリオンの呼吸は整っており、話をするという事でソファーへと腰かけていた。もちろん私も机の方から移動して、向かい側のソファーへと座った。
…ただ、アリエスはオリオンへの飲み物を渡す際に睨んでいた。『私(ロシュ様)に失礼なことをするな』という睨みだろうな。
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