330.話をしようか?
――夕食後。
今日の夕食時の会話は、ライラとレイラによるゼイラルへお願いを受け取らせるための言葉責めだった。
余程ゼイラルが指示して作った料理でも、食べたかったようだ。
その話の中で2人が執着するのには、ランスと仲が良かったのあるようで、彼から国の料理などの自分達の知らない事を聞いていたために、それの1つを実現させられるゼイラルに詰め寄っていたのだろう。
まぁ、子供の知識にあることを現実に知りたい欲は侮れんからなぁ。
『ランスが話の中で話していた料理をゼイラルさんなら作れるのでは?』『異文化交流とても思ってお食事会をしませんか?』などの様々な問いに、ゼイラルがいいえと言いづらい理由を与え続けていっていた2人から逃れるように、彼が私に助けを求めるような視線を向けてきた時。
私は優しく言ってやった。
『1度どんな形でゼイラルが作った料理があるのならば、断り続ける方が大変だ。こちらが望んでいる限り、ゼイラルが本気で嫌がらない限り、2人は話を終わらせるつもりはないぞ?』
と。
――ロシュはライラ達よりの考えだったため、ゼイラルに助け船は出されることはなかった。
むしろ、ライラ達に援護がされたのだった。
結局ゼイラルがもう少し自分の生活が落ち着いたらという言葉を出した。
だがライラとレイラはそこからゼイラルがどの程度で落ち着くだろうかと計算して、完全な日取りを決めていた。
来月から同じ日付けで毎月な。
――夜。
風呂や怪我の治療、明日の仕事への準備を終えた私は、自室代わりとなっている客室にて、使用人の役職長達のバルナ、サジリウス、イブランを呼びつけていた。
まだ私が起きているのならと残ろうとしたアリエスには、バルナが来るから世話は彼女に任せるといい、仕事を切り上げてもらった。
ドアの外で、護衛をしているレオには切り上げるように言わなかったのが少し不満げではあったが、イブランがいると言えば、じっとして護衛するとは思えなかったようで、不満そうな表情はレオがいた方が安心だという表情へとなった。
アリエスが部屋を去ってからしばらく。神妙な面持ちのバルナ、サジリウス、イブランが部屋に揃った。
いや。深刻な話をするわけではないのだが、どうやら3人はそうとは思わなかったようだ。
まぁ、長の3人を同時に呼ぶくらいだから深刻と捉えられても仕方がないか。
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明日は日曜なのでお休みです。
また月曜の朝9時にお会いしましょう。