329.集中力の向上
――昼食後。
私は昼食を終え、ダイニングで一息ついていた。
この場に他の者は、横で控えているアリエスしかいない。
昼食は私が出した案――ゼイラルが指示をだしスロウが作る――に従い作られた副食は、なかなかに旨かった。
主食の邪魔をしない、それでいてこの国では滅多に食べない味付けで。
料理を作ったスロウと調理場にいたサヤンキも、あまり作らない味付けの料理になるほどと感心していた。
特にサヤンキはゼイラルと年が近く、自分より料理ができそうな予感がすると言っていた、と食後にスロウから聞いた。
その感想を聞いていたライラとレイラには、食べたかったと言われた。
ゼイラル云々というのは食べ終えてから伝えたため、2人は少しふてくされてしまった。食べたかったと。
だがそうでもしないと、途中で『私も俺も』と食べたがると思っていた。
まぁ、本当にそうしておいて良かった。
私としては食べてほしかったのだが、妥協案の中には2人には食べさせないと言ってしまっていたし、それを覆すのは今後の信用問題にもなる(主にアリエスからな)。
ダイニングで一息ついたのち、私は仕事をいつも通り執務室で仕事をした。
午前中の分の仕事を午後に回したため、多くはなってしまったが滞ることなく処理。
スロウが持ってきた試作品のおやつを届けに来たのと、ベガとレオが交代の報告をしに来た以外訪問者はおらず、明日の分と分けておいた仕事までやってしまった。
怪我をしたためアリエスと思案して、抑制することにしていた仕事だが、このペースで処理出来るのならばもう少し多くしても大丈夫そうだ、という話を仕事終わりに彼女とした。
ちなみにアリエスは仕事の最中、私の長時間の同じ体制をさけるため、敢えて話しかけたりしてきており、集中も余りできなかったのだが、それでも仕事処理能力が早かったのだ。
私はどうやら短時間での集中がより研ぎ澄まされたらしい。
これが怪我をしている今だからなのか、それとも老いが出るまで続くものなのかはわからないが、有効に使わせてもらおう。
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