319.渦巻いた感情に身体は
おはようございます
ゼイラルの使っている部屋と私が使っている部屋の客室は、部屋1つ分の距離しかないのですぐに私の部屋へと招き入れた。
「あまり変わらないだろう?」
「はい」
側に置いてあった椅子に座るようにゼイラルにいうと、私はベットへと腰かけた。
「あの、アリエスさんは?」
「まだ来てないぞ。私が起きる前に色々と準備をするらしくてな」
今は特に薬関係の調合があるらしく、アリエスからは5時半には赴きますと昨日は言われたな…。
指定するということは、睡眠時間を削ってまで調合してくれている。
私のためだと思うが、隈を作ってきたならバルナに止めてもらおう。
「そうですか…」
「安心したか?」
「はい。今は会ったら少し…睨まれたら萎縮してしまうかもしれません」
「そうか、ではアリエスが来る前に話を終えよう」
「はい」
そこからゼイラルに昨日の心情を聞いた。
まず前提に自国で騎士をやってきた時にも戦うことはあり、話を聞いただけあぁなることはない。
だがその前に梯子から落ちた、その後に私が怪我していたと聞いて心が乱れたらしい。
確かに乱れることは分かるが、失神するまでか?と思わず言ってしまった。
「確かに怪我をしていたロシュさんに受け止めてもらったと聞いただけでは失神までにはなりません。ただ梯子から落ちた時に…その…助かった安心感と、恥ずかしいと思いつつ抱きしめたもらえたと嬉しく思っていた自分を恥じたのも、原因の1つなんです」
ゼイラルは顔を少し赤らめて逸らした。
うむ。
安心感、そして嬉しく思っていた時、助けてもらった相手が怪我をしいたと、それが自分を追ってきた者のせいで負ったものだったと知ってのことか。
『安心』『恥ずかしさ』『嬉々』『自責』、それとあの宣言(247話推奨)を『守れなかった』という感情もあったのなら、どの感情でいれば良いかも分からなくなり、謝り続けての失神か。
感情は体に影響を出すものだ。
悲しければ涙を流したり、恥ずかしいさで顔を赤らめさせるのが良い例だ。
私はゼイラルが失神した理由が分かり、とりあえず今の彼には確認の問いかけを欠かさずしようと決めたのだった。
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