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315.半身だから分かるだろう?


スロウがいる調理場前へと来た私は、ドアの小窓を覗きながらノックをした。


音に気づいたスロウはサヤンキに火の番を任せるとこちらへ向かってきた。

この時間はちょうど夕食の下準備中だとは知ってはいたが、早めに伝えておいた方が良い事が2つもあるため、邪魔させてもらう。

ちなみに私が小窓から顔を出して訪問したときだけ、スロウが対応する。これはスロウに用があるという合図だ。



「ロシュ様。何のご用ですか?」

「あぁ、実はな――」



私はゼイラルが心身を崩した事で泊まることになったため、食事を1人分追加してほしいのと、精神状態を支えてほしい、又は改善をしてやってほしいと簡潔に伝えた。



「食事の件に関しては全く問題はないのですが…せ、精神状態を支えてというのは…他の者でも良いのでは?」

「いや。他の者からの選択でスロウとなった」

「え?選択?」



スロウは選択で選ばれたという事に驚いていた。

まぁ選択と言われて無感情でいられるものはいないだろうからな。想定内の反応だ。



「あぁ、誰がゼイラルの回復の手助けになるという選択肢の中からスロウが選ばれた。満場一致だったぞ」

「その選択肢にバルナさんやサジリウスさんはいなかったんですか?」

「そういえばいなかったな。だが、その2人は(おさ)だ。ゼイラルの相手をしてもらう時間は取らせられない」



長で時間が充分に取れるのはイブランくらいだろうな……。



「他の選択肢の人は誰だったんですか?」

「クエリアとオリオンだ」

「…クエリアでも良かったのでは?」



妻であるクエリアを良く知っているからこその疑問だろう。



「優しいだけでは改善は無理だと判断された」

「確かに優しいですけど、ちゃんと状況を伝えれば厳しくしてくれると思うのですが…」

「クエリアの厳しくは顔が不満気になるだけだろう?」

「そ、そんなことは――」



スロウは『そんなことはない』とは言い切れなかった。

途中で思いだしたのだろうな。



「……ゼイラルの件お引き受けします。食事を届ける時にでも様子を見させてもらいます」

「あぁ。頼んだ」

「はい」



スロウは決心をした表情で、願いを引き受けてくれた。




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