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305.好印象と共に懐いた


ゼイラルとの挨拶をし終えた私は、何故ノルイと共にここへ来たのかを問うた。



「ノルイさんの家が自分の家の近くで、この国へ来た当初からお世話になっているんです」



私はゼイラルから貰っていた手紙の内容を思い出した。



「…『親切な隣人御家族』とは彼らのことだったのか」

「えぇ、そうです」



手紙の最初の方は、慣れない生活についての話があり、そこに名前を伏せた状態で良く『隣人の奥様が…』『息子さんが』など、生活を手助けして貰っているという内容が書かれていることが多かった。

それがまさかノルイとその身内だったとは…。


確かにいま言われて記憶を辿り照らせば、ゼイラルが住んでいる番地と、ノルイのエクナム家が数軒の距離しかないことが分かる。

引っ越してきた者に興味を持って、関わりを持ったのが最初かもしれないな。



「では今回ここに来たのは、まさかノルイの仕事を手伝っているのか?」

「今回だけ、手伝うことになっています。実は息子であるディーバさんが、足を怪我して歩くが出来ないため、鉄格子を運ぶ作業が出来ないと困っていたので、いつもお世話になっている恩返しとして、手伝いを申し出たんです」



ウェイターの仕事でいっぱいいっぱいだった頃から世話になっていたら、恩返しのチャンスは見逃したくはないか。


――ロシュはゼイラルに好印象を懐いた。



「ロイ様に近づきたかったからではないのですか?」

「アリエス」

「…申し訳ございませんでした」



――ロシュの些細な気持ちの変化を敏感に読み取ったアリエスが、ゼイラルへと鋭い視線を向ける。



「…確かにロシュさんとは距離を縮めたいと思っています。しかし、行き先は発車してから聞いたのです」



――ゼイラルはその視線に一瞬ビクリと萎縮するが、自身が考えている気持ちと説明を堂々とした。



「ゼイラル。それはいくらなんでも不用心だ。親しき者でも仕事内容はきちんと確認しろ」

「…すみません」



――しかし仕事内容の不確認を堂々と宣言してしまったために、好印象と共に呆れを懐かれたゼイラルであった。



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