298.職人
おはようございます
鉄格子について考えつつ、アリエスが入れてくれた紅茶を飲んでいた私と、少し落ち込んでいるイブランの3人で、職人の到着を告げる声をダイニングで待っていた。
イブランは私達は食後の満悦感すら味わう暇なく、外の扉の前で私は食べ終わる瞬間をいまかいまかと待ち、終わった瞬間に部屋へと突入してきた彼の話を聞くはめになった。
午後が勉強になったライラとレイラの2人は途中で退出させたがな。
そして職人に関しての詳細をしたのだから、せめてスピオンの手伝いの時間を短くしてくださいと、私が返事をするまで懇願し続けた。
――しかしロシュはイブランに『反省の意が見えないのか。そうか1週間という期間は反省するには足りないようだな』と、寛容さは全くださなかった。
デネヴィーとロシュ自身が迷惑を被ったがゆえの返答であった。
――数十分後。
ダイニングにやってきたバルナから、職人が来て応接室に通したと告げにやってきたことで、私達はダイニングから応接室へと移動をした。
応接室へと到着すると、ソファーから腰を上げこちらに礼をする男2人いた。顔を上げて見る背丈は同じだが、年齢は2回りは違う容貌をしていた。
うむ。
「お初にお目にかかります。公爵様。イブラン氏よりご紹介与りましたノルイ・エクナムと申します。こちらは息子のディーバ・エクナムです」
私がイブランが紹介してきていた友人だという職人のノルイは、どうやら息子も連れてきたようで、ディーバは緊張した面持ちで紹介を受け礼を再びした。
「ロイヴァルッシュ・ヴィ・グランツェッタです。とりあえず座って話しましょうか」
「はい」
ノルイとディーバは、私がソファーに座るのを確認してから腰を掛けた。
イブランとアリエスは私の後ろに控え、バルナとレオは扉の外で待機をしている。
本当ならレオが中でイブランが外なのだが、かの職人とは友人関係でもあるというからな。
話がしやすくなるだろうと思い、後ろに控えさせることにした。
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8月も終わりですね。
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