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288.追尾の理由は?


私は今度こそそっと抱きしめるとすぐに離した。…先程強く抱きしめられたしな。



「さぁ、座って話そうか」

「うん」



部屋の外にいたアリエスが茶の準備をし出したのを確認しつつ、座るように促した。


ライラと隣り合うようにソファーへ座ると、私をつけるような行動の理由を問うことにした。



「さて。私の後をつけていたのは、心配してのことだったのか?」



ライラは少しビクッと、した後気まずそうに話し出した。



「…違うよ。その…久々にとうさんが支え無しで歩いていた事に驚いてたら、声をかけるタイミングを逃したんだ」

「だからつけて話しかけるタイミングを待っていたのか?」

「うん。でも使用人の人達も声をかけていくから話しかけづらくなってきて…」



確かに1階に降りてからは次から次へと話しかけられたからな…。



「それで執務室へと訪問してから声をかけようと思った、ということか」

「そうだよ!分かってたなら言わせないでよ!」



睨むように怒りを露にしたライラだが、本当に怒っているわけではない。

私がつけていた理由を再確認するように問うたため、気恥ずかしさを感じたからだろう。



「本人の口から肯定の言葉を聞き、『あぁ、やはり当たっていたな』と思いたい時もあるんだ」

「性格悪いよ!とうさん!せめて知らない振りとか最初から『こういう理由だろう?』って言われていた方が良かった!」

「ははっ。すまない」

「…でも、それも含めてとうさんだもんね。アリエスさんを返してとうさんの言葉を聞いていたけど、やっぱり声が無くなってないのならちゃんと、とうさんの声が……聞きたかった」



『とうさんの声が』の辺りで照れたような表情をしていたライラに、私は照れたライラも素直で可愛いなと思いつつ、そっと。

今後こそそっと力を入れて、頭を撫でた。



「そう思ってくれてありがとうな」






それからしてアリエスの茶が出てきた。私達の会話を途切れさせぬよう待っていたらしい。



「あれ?3つ?アリエスさんも飲むなら早く座ったら?」

「ライラ気づいてなかったのか?」

「え?」

「アルタもつけていたじゃないか」

「う、そ…」



ライラ、少し後ろから見守るようにつけていたアルタの存在には気がついていなかったようで、唖然と驚いていた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




アルタは使用人ですが、ロシュは自分より年下には甘くする傾向があるため、使用人達は致し方なきことととらえている。






18日までお盆休みで投稿はお休みします。


次回投稿は19日朝9時となります。



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