273.安堵は、伝えられたのだろう。
アリエスによる全ての診断が終わった結果。
『8日間の安静と3週間の激しい運動の禁止』が言い渡された。
安静の範囲は、武術の絶対禁止はもちろん、長時間座る又長距離を歩くことももダメだと。
背筋を伸ばすことは、傷口を伸ばすことになるから禁止するのだ、と言われた。
ベッドの上で寝て過ごす事になると暇でしかないが、そこはアリエスも考えたくれていたようで、明日か明後日には声を出して会話をすることを許可された。
…まぁ、単語と単語の間を休みつつ発声すれば、長文で喋り会うことは今でも可能だと思うのが、この事をアリエスに言ったなら確実に『喋るな』と言われそうだったので、心にとどめた。
見舞いや報告などは早めに自分の口で会話をしたいからな…。
安静を心がけようと思う。
それから替えの服を持ってきてくれたクエリアに、着せ替えさせられたからしばらく。
部屋のドアがノックされ相手を確認した様子のアリエスは、ドアを開けだ。
入室してきたのは、ライラとレイラだった。後ろにはクエリアが控えていたが、彼女は部屋には入ってこなかった。
他の仕事があるのだろう。
専属と言えど、身の回りの世話をする者と統括する者とで役目があるのだ。クエリアは身の回りの世話を主にはしていないため、他の仕事を優先させている。
もちろん、我が家を出れば1番はレイラになるのだがな。
「とうさん」
「とうさま」
2人が同時に私に話しかけるに少し笑みが浮かんだ。
最後に見たライラとレイラの不安そうな表情、私の声を聞いて嬉しそうな、私を心配して怒りを感じていた顔とは違い、安堵の表情をしてい2人。
そういえば先程クエリアが着替えを持ってきたからな…。
彼女から私の起床が伝わり、安堵の表情をしてここに来れたということだろうか?
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昨日お休みでしたが、明日が日曜日なのでまたお休みです。
月曜日朝9時にまた。