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254.外と中で


『ロイ様がそう言うなら…』と、もう何度目かになるアリエスとオリオンとの口論を事前に諌めた。


アリエスは私の後ろに控えるのを確認しつつ、私は改めてオリオンと向き合い何故ここに呼んだのかを話した。



「――というわけだ。メダに言ったのはお前だな?」

「あー。それじゃないって選択肢はなかったのか?」

「さすがに恋路などで嘘をつく者はオリオン以外浮かばなかったな」

「ほら、サヤンキとかいるじゃん?」

「サヤンキはむしろ応援してくれたぞ?」

「なら――」

「オリオンな人に意識を向けさせている時点で、自分だと言っているようなものだ。さて。何故『婚約者』などと言う嘘をついた?」



私の言葉を聞いたオリオンは唖然すると、苦笑いを溢し、話始めた。



「……年下のメダが、シリウスちゃんと結婚して、子供のまで産んじゃってさー、置いてけぼり感が凄かったのな。だからさ、この際。手伝う側に回った方がいいんじゃって思ったっけ訳」

「それなら何故1人を選ばない?お前なら引く手あまただろう?」

「…好きな子が多いと困るよなー。年下の可愛い子とか綺麗な子とか、年上だったら包容感もあるしー?早く選ぶのも相手にも自分にも悪いじゃん?」



後ろにいたアリエスの呆れたような小さなため息が聞こえた。

女好きだと勘違いされているからそこ、こういう反応をされるのだが…。オリオンはそれを訂正をしない。

彼曰く、『可愛い子とか綺麗な子は好きだけど、愛着は沸けないんだよなぁ』という理由で、付き合い口説きはするがデート止まり。それ以上はしない。


…これを姉が亡くなってからオリオンはしつづけている。女性の使用人で彼の真意…内心を知っているのはバルナのみだろう。


感情を隠すのがうまいと、内心とは裏腹な外面が簡単には剥がせなくなるらしい。

私も少しだけ分かるからこそ、『実はオリオンは本心の感情が出にくいんだ』なんて言えない。

分かってあげてくれ、と言われるのは自分で乗り越えなれないんだと言われているように感じるのだろう。


まぁ、私はそこまでは気にしないし、分かってもらえるならそうしてくれる方が、円滑に進みそうだしな。色々と。



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