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247.私はそれを受けとめた


私はゼイラルの真剣さに答え、今彼にできる結論を伝えることにした。

確かにきっぱりと断りをいれた相手が再び想いを伝えることは、この国ではよく思われていない。

『断ったのだから次に相手を見つけなさい』が普通だ。


ゼイラルのこの行為を他の、例えばアリエスになんてやっていたら嫌悪感を包み隠さず態度に出すだろう。そしてまた断るだろう。

私も普通ならば同じ事をしたかもしれない。しかし彼が初めて『告白』をしてくれたんだという気持ちで、甘くなってしまっている。

……もう1度くらいチャンスを与えても良いじゃないかと。



「……確かに告白を断られて諦めがつかないことはゼイラルも苦しい事だろう。今ここで私の考えをいうことも出来るが、『ゼイラルを知らない』という点で断ったのは私だ。…ゼイラル」

「はい」

「君は、自分を知ってもらった上で告白をし断られたら、きっぱりと諦めがつくと言えるか?」



私は何度も受け入れられはしないだろうかなら。



「はい。自分が努力し知ってもらった結果が『お断りのお返事』だったのなら、私はロシュさんが人生を歩むには合わない者なのだと、諦めがつきます」

「…私はゼイラル個人のために時間は避けない。知り合いというのなら予定を立て会うことになるが、仕事と家族が最優先だ。会える日は少ないかも知れないぞ?」

「はい。私はそれでも構いません。……その、文を送らせていただくので」



気恥ずかしそうにするゼイラル。

文は感情が伝わりづらいため、言葉より過剰な言葉を書かねばならない。というのは彼の国とも共通のようだな。



「なるほど」

「お返事は無くても構いませんが、できうる限り送り続けさせていただきます」

「そうか。他に私に言っておく事はあるか?」



私の言葉に1度は視線を反らしたぜいらるだが、一呼吸をし言葉を発した。


これが最後の決意表明だなと思った私も心身構えた。



「…ロイヴァルッシュ・ヴィ・グランツェッタ様」

「何でしょう。ゼイラル・ムーロンさん」

「私は貴方に全てを知ってもらうため、努力を惜しみません。


しかしご迷惑となることがないようにし、貴方に想い人ができるまで。私が告白し断られるまで。

私の貴方への想いを伝えさせていただくことをお許しください。

そして、これからグランツェッタ領でお世話になります」

「え?」



ゼイラルのこれからの努力への決意と、我が領地で世話になるという挨拶。


私は努力に関しても領地に住まうことにしても、頑張れやそうかという返答しかできないなと思っていたのだが、レオが私より先にゼイラルの言葉に反応した。


多分、領地に住むとまでは考えていなかったのだろうな。…王都で暮らすとでも思っていたのだろう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




明日はお休みです!また月曜日の朝に!


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