242.おとこのこ
おはようございます
リスラで癒されること数十分。
私に癒しをくれたリスラは疲れ眠ってしまった。残念でもあるし、疲れさせてしまったという罪悪感もなくはない。
――コンコン。
「しつれいしまーす」
幼い声が入室する際のの声を発して、中へと入ってきたのはクエリアとスロウの子、プロキノだった。
「あっ、ロシュ」
「プロキノか。また手伝いをしてくれていたのか?」
「うん。ねぇねぇ、これどう?」
プロキノはメイド服をアレンジした長袖のワンピースを着ていた。
「これとはその服のことか?」
「うん。お母さんが作ってくれたの。かわいいでしょ?」
「あぁ。特に胸元のリボンが可愛いな」
「えへへ。さすがロシュ、分かってるね~」
プロキノは私に分かっているとは言ったが、決してそれだけで気付き、言った訳ではない。
『かわいいでしょ?』そう聞いてきたプロキノが胸をはったため、あぁそこを誉めてほしいのかと思ったのだ。
本人には言ってないが毎度誉められたいと思うことがあればその場所を無意識に強調し、自分のした行動で誉められたい時は横髪をすくような動作をする。
感情が露骨に身体に現れるので、分かりやすいのもあるのだ。
「それでなんの手伝いに来たんだ?」
「あ。そうだった、リスラのオムツかえに来たの」
「それならやってしまった」
「え~!またなの?」
言葉の後に頬を軽く膨らませふてくされたような(-_-)になってしまったプロキノ。
またと言われるほどには、リスラのオムツ替えをしていた。
「すまない。臭いがしたのでな」
「も~!ぼくがやることだったのに~!」
「またやれるさ」
「それはそうだけど…ヒマになっちゃったじゃん」
落ち込むプロキノに少し申し訳なさを感じた。
「ならなにか話でもするか?」
「話~?あ!ならぼくがしてあげる!シリウスのこきょうにある子供向けのえほんの話!ロシュ、知らないでしょ~?」
プロキノは自慢げな表情で私に話を振ってきたが、シリウスは自身をしもらおうと、故郷の話を事細かに手紙にして渡してきたことがあったため、あらたかの話は知っていた。
特に『よく母から聞いた話があります』という始まりで、何本かの絵本の話を書いてきていたため、これからもプロキノが話す内容は容易に想像がついた。
「なら聞かせてもらおうか」
だが、私の聞いたことのない話をプロキノにしているやも知れないのと、子供特有の声で紡がれる言葉にもまた安らぎを感じるため、話してもらうことにした。
「じゃあ、ここでするけど声は小さくね!」
「あぁ」
リスラに気を使いつつプロキノが語り出した話は、9割方は聞いたことのある話だったが、言葉を自分なりに変えたまま話してくれたため、面白く微笑ましく聴いていた。
あぁ、ちなみにプロキノはよく女子の服を着ているが性別は『男』だ。
感性は私と逆なのだろうと、周りは判断している。
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ロシュ→男装。ワンピースやドレスより、パンツ(ズボン)やタキシードなどの服を好んでいる。
プロキノ→女装。ズボンやタキシードより、スカートやワンピースを好む。
この国の人々→性別にあった服装を嗜んでいる。
女ならスカート、男ならズボン。
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