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231.プリリルとの5


おはようございます!


ライラを婿養子にするだと?



「何を仰っているのです?」



私は夫人に思ったままに問いかけてしまった。


婚約が無理なら婿養子にする、そう言っているも同然なのだ。愛しく思うこどもを差し出せと言われている…



「何をってそのままの意味ですよ。あなたに言いなりのライラくんを養子としてもらい受けるのよ。あぁ、そうだわ、レイラちゃんも一緒に来てくれればユユモのお姉さんが増えるわ。どうかしらグランツェッタ公爵様?」

「受け入れられる提案ではない」

「どうしてです?ライラくん達は元々養子なのですから、今さら何処の養子になっても変わりないでしょう?それに、グランツェッタ公爵様はお仕事が忙しいでしょうし、私達が引き取ればライラくん達の寂しさも埋めてあげれますわ…それに。我が家の産業はグランツェッタ領に必要なものでしょう?無くなってしまっては…ねぇ?」



私は先程の問いかけから抑えていた怒りが、沸々と上がってくるのがわかる。だがそれを表に出さないように、冷静に夫人を見据えた。

彼女はもう自信の考えが正しいとしか思っていないように見える。


1番考えうる夫人の行動だが、自分の提案を、考えを全ての伝え終わったら自己完結し『成立』としてしまう可能性がある。

自己完結の考えを過多に持つものが『交渉』や『経営』、『産業』に関わっているのは…な。


私は彼らを…。切るとこにした。



「今の『私達』というのはプリリル公爵と夫人という意味ですか?」

「それはち――」

「えぇ、そうですわ。主人も子が増える事は嬉しく思っています」



夫人はプリリル公爵の言葉すら遮り、『そうだ』と答えた。



「グランツェッタ公爵、違いますっ!私はそんな事思っていないのだ!」



だがそれでも私と同じく、夫人に言わせるだけ言わせようという魂胆だったのであろうプリリル公爵が、今までで1番強く否定をした。

だが。



「今までの会話でもっと否定するところはあったでしょう。それを止めなかったということは、夫人の言葉を受け入れていたということです」

「それは…」

「あなたもどうやら私を『若造』と侮っていた。そして今。夫人から我々を脅すような発言をした――これは『あってはならないこと』だ。フデン・ヴィ・プリリル」



私は口調を崩し、高圧的にプリリル公爵へと話しかけた。


もう丁寧である必要はない。



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