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23.宿屋の娘は


レイラに迎えが来たので、アリエスの友人へと挨拶へ来た。



「あ、アリエス!もしかして、その方が?」

「えぇ。私を雇ってくれている方よ」



アリエスの友人は、私を見て驚いている様子の友人に対して、たんたんと説明をした。


友人にそっけないな。

と思いつつ、アリエスがちらりとこちらを見たのを合図に私は彼女へ挨拶をする。



「はじめまして」

「は、はじめまして!私、この宿屋の娘のイーツァ・バーバラって言います!」



微笑みながら挨拶をすると、彼女――バーバラは照れたようにしながらもワンピースのスカート部分の端を抓むとカーテシーをした。


カーテシーのぎこちなさが、バーバラが貴族ではないことを教えてくれた。知識としては知っているようだ。



「私はロイヴァルッシュ・ヴィ・グランツェッタと申します。アリエスの友人だと聞き、挨拶に参りました」



貴族でなくとも敬語は外さない。家族や友人ではないからな。外すのは仲が良くなってからだ。


例え年上でも年下でも変わらない。



「公爵様……。あの!お時間があったら私、王都を案内しますよ!」

「お気持ちは嬉しいですが、王都には仕事のようなもので来ていていましてね。観光せずに帰るんですよ」

「そうですか……」

「申し訳ありませんね」

「いえ!公爵様ともなればお忙しいですし!仕方ないですよ!」



今まで止まった宿のある町の観光は、全てレイラに任せていたというのも理由だが。


私は領地にある書類の事を考えたり、王都への書類に手をつけていて、観光などの時間はない。

王都にいればなおさらだ。観光で来る余裕など今はない。



「アリエス」

「はい。分かっています。ご夕食はお部屋にお持ちします」

「あの?」



そう。余裕がないのだ。それをアリエスも分かっている。


予想外の夜襲。

盗賊の話を聞き、対策を練るなどして重要書類を守らねばならない。

トランクの二重底にし舞い込んであるが、半分も処理できていない。



「お嬢さん。私はそろそろ失礼します」

「イーツァがいった通り、ロイヴァルッシュ様は忙しいから」



アリエスは私の名前を【ロイ】ではなく【ロイヴァルッシュ】と呼んだのは、【ロイ】と言う呼び方を真似される恐れがあるからだ。



「そっか……。ロイヴァルッシュ様っ。ご用がありましたら何でもいってくださいね!」

「えぇ。用がありましたら」



バーバラに次に会うのは宿を出る時だろう。


私はバーバラに会うまでに聞いていた部屋に1人戻った。










「イーツァ。ロイヴァルッシュ様は男性ではないから」

「えっ!!?」



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