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224.特例制


レオ達との打ち稽古を終えると、執務室に向かうと机の上に銀のトレイに置かれた1枚の手紙と茶封筒が置いてあった。

これか。


私は椅子に座るとその手紙を手に取り読んだ。


王太子直筆の内容は、ザンクの戸籍抄本書き換え完了の知らせと生誕祭で起こった解決済の説明などが主だった。


これで完全に貴族抜けしたザンク。

この国では貴族から抜ける際に『特例制養子縁組』という申請書を提出しなければ、親子関係すら無くなってしまう。


理由は貴族としての責務を放棄したのにも関わらず、貴族の子としてあり続けるのは、『責務怠慢』した貴族と認識されるからだ。

そのため、親子であり続けたいのなら実子であっても特例制養子縁組をしなおさなければならない。

申請されてしまえば、『私は貴族ではなく貴族の親を持つだけ』という証明になる。


また資金遺産や土地遺産は、特例制養子縁組をされると受け取り序列が下がるため、『子供だから』という理由だけでは残すことが出来ない。


他の国ではどうかは知らないが、我が国ではこれが普通である。そもそも他の国に『特別制養子縁組』があるかどうかすら知らん。他の国の血縁事情など深入りするつもりはないからな。


それからライラとレイラも養子縁組だが、『特例制』ではないため、普通に遺産などがあれば引き継ぎや受け取りも可能だ。


ザンクの両親は、私に媚を売ることに躍起になったようで申請期限が過ぎ、完全に他人になったらしい。

ふ。このような両親から離れられてよかったな。ザンクは。



その後書かれていた王太子からの内容は、ほとんど終わってしまっていたことの報告書となっていた。

5枚という手紙にしては多い最後の行には、


『嫌だとは思いますが、また王都へいらしてください』


と書かれていた。

王太子の言うとおり嫌で正直行きたくはないが、仕事がある限り王都へは行き続けるだろうな…


私は苦笑いをすると、手紙をしまい、貯まった書類へと手を伸ばした。


ちなみに茶封筒の中身は、新たなザンクの戸籍だった。

これを私か役所が受理すれば、彼の案件は全て精算完了となるだろう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



※特例制養子縁組はロイヴァルッシュの住む国ある制度であり、地球には存在しないものです。

もしも似たる制度があった場合は似ているだけであり、ロイヴァルッシュの国の物とは別物でしょう※



御手紙を読む回でしたっ!


明日はお休みです!

また月曜日のいつもの時間くらいにお会いしましょう!


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