216.後始末 ★
ライラをも見送った私は、レオへ指示を出しスピオンへ香を持って来るように、言伝てを頼んだ。
「応接室の窓を開ける。アリエスは廊下の窓を開けてきてくれ」
「かしこまりました」
「サジリウスは私と共に部屋の窓を開けてくれ」
「はい」
応接室には窓が3つある。
1つは玄関側にある窓なのだが、嵌め込みのステンドグラスで開けれない。
後の2つは天井近くにある。
直接外には繋がってはいないが、廊下の反対側に外に繋がっている窓があり、風を通す事はできるため、アリエスに開けにいってもらった。
香を炊くが、少しでも匂いがない方が新たな匂いも着きやすいだろう。
私とサジリウスは梯子を使い、二重窓を内側と外側へと開いた。
梯子は、梯子だけを入れるために壁に溝を作ってあり、そこから取り出した。
溝の入り口は時計で隠してあるため、見映えの心配はない。
二重窓は鉄の棒がストッパーとなり、開けっぱなしにする事ができる。場所は時計の中だ。
窓を開け終わった私は、プリリル公爵親子がいた場所にはケーキを食べて残った皿とフォークがあった。
後始末の次いでだと思い、調理場へ持っていこうとフォークを手に取った。その瞬間。
フワリとあの香水の匂いが漂った。
「…フォークにまで匂いがつくことがあるのだな」
「人は何かを握ると自身の体温で湿気が出来ますので…身体についた匂いが付いたのだと思われます」
「…スロウに下げて貰うときは手袋を嵌めさせてくれ。それと、夕食後のデザートにケーキを出してくれと伝えてくれ。私は風呂へ向かう」
「かしこまりました」
私は素手で触ってしまったため、手についた香水の匂いをすぐに洗い流したくなり、後の事はサジリウスに任せた。
潔癖ではないが、香水の原液が付いたまま作業するような事はしたくはない。
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画像を用いて、文章では書くことが出来なかった所を補いました。
明日は4のつく日ですのでおやすみです。
また15日にお会いしましょう!