208.厳しめ
ライラの準備か終わり、私達はイブラン発端の鍛練へと参加した。
ここでは体力の限界をしり、そこから剣術である打ち稽古が始まる。
まずは身体の柔軟を10分かけて行った。筋を痛めてはのちに支障が出るからな。
それが終わると近辺のランニング4キロ、腕立て50回、木刀での素振り100回。これを5セット。
次に刃を潰した鉄剣での打ち稽古を150回したのち、騎士寮外周を全力疾走。
木刀での打ち稽古150回。
背に重荷を背負った状態での後退走行1キロ。
休息は1つの項目が終わるごとに2~5分ある。
……これを2~5週したのち鍛練は終了する。
ただし、ライラは柔軟以外の全ての項目が2分の1となっている。昔は10分の1だったから、かなり成長した方だ。
「ぜぇ……はぁっ……ごほっ、」
「はぁ、はぁ……はぁ」
「っー……」
「まったく、たかだか2週だぞ?」
ライラは勿論のこと、騎士であるレオ、メダ、オリオンは息を切らし、地面に寝そべっている。いや、倒れこんでいる。
この鍛練はなかなかきついが、さらに地獄なのはこれがまだ剣術をするための準備運動出しかないというてんだ。
だが、ここまで体力が落ちているのなら…
「イブラン。この4人はもう剣術に入っていいんじゃないか?」
「そうですね。」
この後に待っているのは、足場を制限した状態での鉄剣での打ち稽古、これは組み合わせ決め、勝敗数のどちらかが5回になった時点で終了。
ペアでやるのだが、誰か1人が勝たねばならないから長引けば後にくる。
皆、疲れてはいるが、剣を握ってしまえば負けず嫌いが発動するようで、簡単に負けてくれない。
疲れているのならあっさり負けて疲労回復に勤めれ場良いものを…まぁ、あっさりと負けられるより粘ってくれた方な私も楽しいがな。
「とうさ、は、つかれて、ないの……」
1番疲れが見てとれるライラからの途切れ途切れの質問に、私は平然と答えた。
「息は上がっているが、皆のようには疲れてないな。目覚めが良かったのもあるが、今日はなんだか身体が軽くてな。あと2週もすれば疲れるだろう」
「ではロシュ様は鍛練を続けてください。――他の者は剣術へと移る!初めは私が相手取ろう」
地に倒れている者達がイブランの言葉に『最悪だ』とでも言いたげな暗い表情となった。
イブランはなかなか人を『負けている』と判断してくれないからな。負けるのにも一苦労だ。
だが、それもまた面白い。疲労が凄いがな。
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運動活動による疲労に関しては良く分からないので、あれで疲れるということにしておきます。
ロシュの能力をゲームのように割り振るなら、体力と筋力が多く、索敵による疲労がしやすい。
だと思います。
そのため不意の怪我や疲労による睡眠を欲するということですね。
明日(日曜日)と明後日(4日)はお休みです。
また、火曜日(5日)朝9時から『領地を愛する私は』をよろしくお願いします。