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200.入領



本日より作品タイトルが、

『領地を愛する私は』になります。


私にとっては揺りかごのような馬車の揺れで眠っていた所を、そっと問いかけるようなアリエスの声で目覚めた。

強制的にと言っていたわりに、優しく起こされたため心の中で、あっけらかんとした。




――王都出発から1日目、夜。


宿屋に到着した一行は何事もなく就寝をした。

馬車に揺られたザンクは、馬車酔いをしないと判明。



――2日目、朝。


寝坊する者なく朝食をとった一行は、宿屋を立った。



――2日目、昼


さすがに長時間の馬車に身体が痛くなってきたと、レオからの報告受けたロシュは、ザンクが伴った痛み軽減の整体をアリエスに頼んだ。

彼は、一時的にでも疲れたを取れた様子だった。



――2日目、夕。


食事処で使用人の一部が異性に誘いを受け、それを無表情に断る姿が目撃された。



――2日目、夜。


ロシュが一部が疲労で倒れ込むように眠ったと方向を受けた後、レイラとライラが部屋を訪ね『共に寝てほしい』と願い、ひろめのベッドで3人がすやすやと眠った。



――そして3日目。



「ようやく帰れるな」

「はい。数時間後にはグランツェッタ領です」



私の言葉にアリエスも心なしか嬉しそうだ。


ふ、アリエスも我が領地を共に愛してくれているからだろうな。








馬車の速度が緩やかになったのを感じ、読んでいた本から目を離し、アリエスに窓のカーテン開けるように言うと、見慣れた領地への出入口の景色が見えた。


少しすると関所に到着したようで馬車が止まる。さらに少しすると、ドアがノックされる。

私はアリエスに窓を開けるように指示した。



「ロイヴァルッシュ・ヴィ・グランツェッタ様ですね」

「あぁ」



顔馴染みであった兵士は私だと確認すると、持っていたものを差し出した。



「御勤めご苦労様です。こちら隊長からの書類となります」



私はアリエスに書類を受け取らせた。


この書類は関所の通行者表だ。私が留守の間に来た貴族や出掛けていった者の名が記されている。



「確かに受け取った。それとこの絵の者が来たら馬で我が家へと連れてきてくれ。客人だ」



アリエス経由で兵士に人物画が書かれた紙を数枚渡した。



「はっ!では、失礼します」



いま渡した絵はレオが描いたもの。まるでその人を紙に入れてしまったのではと思うほどに精巧だ。

描いてもらった人物は、ミナージュとその両親。道草することなく来てほしかったため、関所へと依頼した形になる。


窓を閉めてから少しすると、再び馬車はゆっくりと動き出す。


関所を越える瞬間、カーテンが開いていた窓から兵士達が敬礼をし、私の帰還を出迎えてくれていた。



「毎度嬉しい出迎えだ」

「そのために窓のカーテンを開けて待っていたのですよね」

「あぁ」



兵士達の出迎えも帰ってきたと実感することのひとつだからな。


関所を越えたあとは街には寄らず、我が家へと向かう。

帰ってからやることはやまずみのはずだが、やはり帰れることの嬉しさが勝っていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




『入領』という言葉は作者が調べられる限りないです。

ただ、意味は漢字のまま『入る』『領』となります。

『入寮』の『寮に入る』という意味を『領地に入る』にした次第です。



今後とも『領地を愛する私は』をよろしくお願いいたします。


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