107.割り振り
案内人が提示した部屋は全部で5部屋。部屋の割り振りはこちらでするとして、案内人には帰ってもらった。
「じゃあ、まずは――」
私は部屋の割り振りを述べていく。
1アリエス・シリウス
2レオ・ベガ
3ランス
4私
5
「えっ…僕、ライラ様と一緒じゃないんですか?」
ライラの名の後に呼ばれなかったため、一緒でないことに疑問を発したアルタ。
珍しいことだが、遠征時はほとんど一緒に寝かせているからな。
アルタがオリオンとデネヴィーと一緒になるのかということが嫌でいっているわけではない。
「荷物だけオリオンとデネヴィーの部屋に置いて、あとはライラと過ごしてくれて構わない」
「良かったぁ…」
「とうさん。俺はアルタがいなくても1人で寝れるよ?」
安心したアルタに対し、今度はライラが不服らしい。
「警戒のためだ」
「でも」
「さすがに夜でも警戒はするが、ライラは浅い睡眠など出来ないだろう?安眠をするためにもアルタと寝ろ」
「…分かった」
「それに、アルタは自身の部屋以外で慣れないのは理解しているだろう?」
そう。アルタはライラの事が心配しすぎて、少し拗らせており、ライラが遠征になったときは絶対に共に寝なければ気が気じゃなくなるらしい。
さすがにライラ本人が拒絶すれば、引き下がるようにはなったが、最初の頃はどこへ行くにもライラについて回っていて大変だった。
「うん。してるよ。でも、最近たまにアルタ、俺はのこと抱き枕にしてくるから…ごめん、アルタ。意地悪言って」
「いえ!大丈夫です!けど僕もごめんなさい。ライラ様に抱きついていると安心しちゃって…あの、抱き枕にしないようにこれからはするので、手だけでも繋いで寝ていいですか?」
「汗ばまない?」
「寝るときだけでいいです!」
「分かった」
……愛くるしいな。子供というのは。
「ロシュ、またじじぃみたいな考え方になってない?」
「読み取るな、オリオン」
孫が可愛いおじいさんが想っていそうなことを、私も想っていたことをレオは読み取ったようで小声でこそこそと告げてきた。
こんなことを耳元に言いに来たのか……まったく。
「はーい」
こうして私達は、割り振っていった部屋へと一時入った。
ただレオとオリオンは、警備のため廊下に残った。
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