10.子供ながらに
それから私はスカートに属するものは基本的には絶対に履かない理由についての詳しいことも話した。
この話はあまり吹聴するものではないが、ライラとレイラには教えても大丈夫そうだと判断した。
私の服装は陛下の許しも得ているもとだという入りからライラとレイラは驚きで、
「「えっ?嘘……」」
というシンクロをさせた。
くすりと2人のシンクロしたことに笑うが、私は服装の許可を得たときのその1幕を思い出すと、ますます顔に笑みが浮かんだ。
~
『へいか、ふくそうを私自身でえらぶこと、ふくそうにあった言葉づかいをきょか?をいただきたいです!』
私は淡い水色のドレスを身に纏い、上目遣いをし、出来るだけ可愛いと思われる声をだし懇願した。
『ドレスやアクセサリーでなく、服装や言葉づかいをか?』
――金髪が薄れた髪に金色の瞳の――陛下のその言葉を聞いたとき、かかったと思った。
『はい!へいか。おとうさまもおかあさまも、好きなふくをきるのをゆるしてくれないのです...それにおともだちのみんなとあそびたいのです...なので、へいかなら叶えてくれると頑張ったのです!』
すぐさま、涙ぐましながら再度願い出る。
『そうか...それだけのために...良かろう!服装をロイヴァルシュ自身が選ぶ許可とその服装にあう言葉づかいを許可する。
ただし、身分の高いものには敬語や丁寧語を忘れるな。これは王命である!』
『はい、へいか!ありがとうございます!』
『あぁ、ついに叶ってしまった...』
この時、私の後ろにいた父さんが、顔を伏せながら小声で言っていたのを聞いたが、陛下には聞こえていなかった。
父さんは喋りだすタイミングを逃したのだ。
陛下の言葉、そして陛下が許可をして話している者の言葉を遮ってはいけない。
私は父さんが入る隙を与えなかった。
その後、父さんから本当の理由を知った陛下は、項垂れた。
しかし、お怒りにならないのは、私が嘘をついた訳でも陛下を騙してもいないから。
それに陛下も悪事を働いた訳でもなしに、王命で与えたものを取り上げることは出来ない。
王命で与えられたもので悪事を働いていないので、王命にて塗り替えることは出来ない。
王命が絶対なのを逆手にとった私の勝利である。
言っておくがこれは悪事ではなく、ただ願いを聞き入れてもらえるように努力しただけである。
陛下はその後の他の者達の願い聞き入れの際には「ただし、私を欺き悪事を働けば、私が王命にて与えたものを取り上げる」というのを付け足すようになった。
王の願いの聞き入れに関する強化が行われ、宰相や文官らには感謝された。
陛下はなんでも叶えようとしてしまうから、困っていたそうだ。
国民馬鹿…国民を愛しすぎているらしい。
もしも、陛下が父に聞いていたら嘘をつくことになったが、私は知っていた。
陛下が姫殿下に甘いことを。
だから女の子らしい仕草をし、可愛い声を出し、目を潤ませ願いでた。
こうすれば、父に詳しく問わずに叶えてもらえる。姫殿下がお生まれで本当に良かった。
こうして、服装や口調が女の子から男の子になり、女性から男性の口調へと成長していった。陛下には感謝している。
願いを叶えてくれるという陛下が、王命まで使ってくださって今の私があると思うと感謝しかない。
王の指示の命令より、国の王としての王命の方が上。
労働者への勲章――願いの受け入れ――は、この国が発展を遂げたということに他ならない。
というのが王家に伝わるものだそう。
ただ、王もちゃんと選定してから人を選んでいるので、中々悪事に発展することはない。誰彼構わずに願いを聞き入れているわけではないということを最後にきちんと伝えたてきたが……
ライラとレイラが静かな寝息をたてていた。話のどこから眠っていたようだ。
そんな2人にまた笑みをこぼしながら、私も眠りについた。
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