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ほぼ自伝です。
私は人から、不安がなさそう、悩みはなさそうなんて言われます。
よく、というほどではないですが、のびのびやってるように、ヒトには映るようです。
私には、悩みがあります。
誰にでも、悩みがあります。
いいこともあります。
嫌なこともあります。
死にたいって思ったこともないわけではありません
小学生のころ、イジメに遭いました。
当時はなぜか全くわかりませんでした。
私は悪くない、そう思っていました。
今思えば、彼らにとって私は悪の権化。
私を攻撃するのは、彼らの正義だったのでしょう。
実際私はかなり調子に乗るほうで、自分が何かするでもないのに、根拠のない自信を持ち
疎ましがられる人物だったとは思います。
でも。
中学生になって、部活で突然イジられました。
テニスコートに生えていた雑草を足元に投げられ、
「貧乏なんだろ、食えよ」
といったことを言われました。
同じ小学校出身の生徒が、
「アイツは嫌な奴」
だと言いふらしたのだと思いました。
当時、私はテニス部に入っていて
ウォーミングアップとして、ランダというものをするのですが
力のない私は相手コートに入れるのにも一苦労でした。
いちばん相手コートに入る球はカットしたボールでした。
球を打つときに、下をこするように飛ばすことで、回転がかかりバウンドが変化する球でした。
自慢ではありませんが、カットボールの見本になったこともあります。
あの時の私の武器は、カットした球でした。
加えて、負けず嫌いだった私は、大して上手くもないので
必ずといっていいほどその球を使っていました。
相手も中学生になってからテニスを始めた面々、まともに返せる選手は少なく
その結果なのか、嫌な奴説が信じられたのでしょう。
確かに、私はいいもんではありませんでした。
でも、そこまで悪いことをした自覚はなかったのです。
実際の試合ならば、どんなボールでも打ち返さなければいけません。
練習で打てない球が、本番で打てるでしょうか。
私は私の唯一の武器に胡坐をかいていたのでしょう。
試合では、簡単にそのサーブでも取られてしまいます。
勝てないうえに、ペアとのコンビネーションも上手に取れず
私は孤立しました。
そのうち、クラブのカーストトップの生徒に目を付けられ
イジメは苛烈になりました。
他のクラブメンバーからのイジメは無くなりました。
ただ、一方的に
ボールをぶつけられ続けました。
暗澹とした表情のまま、だんだん部活に行きたくなくなっていきました。
顧問に呼び止められ、私は泣きながら、受けたいじめを打ち明けました。
学校生活でもうまくいかず
数少ない友人に殴りかかってしまうこともありました。
私は、学校に行けなくなりました。
母のすすめもあって、すこしずつ、保健室に通うようになりました。
教室に戻る元気は、ありませんでした。
でも。
保健室で先生と話すうちに。
保健室に来るクラスメイトと話すうちに。
短時間でも教室に戻ることができるようになりました。
結果として、よかったと思うことがないとは言えません。
イジメられたことで、自分の悪いところが見えた、といえば聞こえはいいでしょう。
教師が手を差し伸べてくれることが分かったのも、収穫ではありました。
でも。
あなたは、他の人と、どう付き合っていますか?
あなたの一言は、他人を傷つけていませんか?
嫌な奴を、必要以上に攻撃していませんか?
完全に無視を決め込んでいませんか?
その一言が。
その行動が。
他人は、無神経かもしれません。
自分の悩みなど知らず、他者を蹴落としてのうのうと生きているように映る人もいるかもしれません。
あなたにとっての、一番の、敵、かもしれません。
でも。
あなたは…
あなたはイジメていませんか?