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使い古された言葉を、おのれの手で組み換え、入れ替え、組み立てる。
無限に近い組み合わせも、実は有限で
ほかの言語を使ってみたところで、見た目の違いくらいしかできないことに気が付く。
耳障りの良い言葉だけを連ねた詩。
口当たりだけを追い求めた果実。
誰もが使う道具。
同じに慣れすぎて、違いを受け入れられない。
だんだん自分が軽くなって、人の流れに逆らう力も失っていることに
あるものは気づき、あるものは気づかず
弱っていく自分に気づいても、戻ることができない。
人間は増えすぎた。
一番を求めるには、あまりに多すぎた。
一番になることをあきらめ、投げ出して
一番に固執するあまり、自分を見失って
心は壊れていく。
2番じゃダメなんですか。
オンリーワンでいいじゃないですか。
どの口が言うのか。
最初から二番を目指しているのでは、トップ10さえ怪しいのだ。
同じ言葉を口にしても、とらえ方が違う。
バカっていったら、何言ってんだよって笑う人がいる。
緑色の山を書いたら、そう見えない人もいると憤る人がいる。
人のことを気にしすぎて
自分を大事にしようとしすぎて
自分らしさを見失う。
世界から大人は消えてしまった。
子どもばかりの世の中で
子どもはうまく育たない。
ビルの屋上から慟哭が響く。




