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鬱ったら書く。  作者: ナナオ
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長文エッセイです。

常々思うことがある。

私は今、なぜ生きているのか。


生きるとはなんなのか。


私は疑っている。所謂この世も幻想に過ぎず、私はもしかしたら脳になにか電気の線のようなものをつながれて、脳だけで生きている生物なのではないだろうか。


ヒトとしての実体は、本当の実体なのか。自分が本当に、人間なのか。


アンドロイドは電気羊の夢を見ない。だが、見ていると思い込むことはあるのではないだろうか。


ディストピア映画でよく目にするものである。ブレードランナー、マトリックス…

数年前に見た世にも奇妙な物語では、人がその人物そっくりなロボットと入れ替わって、当人はずっと、好きな夢を見て眠っている。主人公はそれを知らないが、身の回りの人物の行動の異常性を感じ、独自に調査しようとする。そして真実にたどり着き、発狂してある機械をこわすと、地上にいるすべての人、いや人型ロボットが停止し、再起動のメッセージが音声で流れてエンド、というものがあった。

説明することが苦手なため、要領を得ない語り口になってしまったが、要するに今の世の中は実のあるものなのか、それとも思い込みの幻想なのかを疑っている。


そして、それを確かめる方法はない。仮にそれが真実だとしても、私はその事実に到達しようとしたところで、そこに至るコンパスを、持っていない状況である。上なのか、下なのか。地の果てなのか、空の果てなのか。脳機能を動かしている者によってのみ、気づくこととなるはずである。


なぜそんなことを思うようになったのか。おそらく最初は小学校時代のイジメである。

わたしはそのころ、ずっと自分がもう一人いて、うえから自分を眺めているような錯覚を覚えることが多々あった。その時に、幾度かブラックアウトが起こった。数秒、いや一秒にも満たないその現象は、"わたし"のありかを考えるきっかけには十分であった。


ぼくのなかみがいれかわったら、どうなるんだろう?そんなことを考えた。


意識だけが別人のものになったとして、それは誰なのか。哲学では度々考察されてきた内容である。心臓移植をしたら、移植された人物の性格が変わったという話を聞いたことがあるが、それは心臓の持ち主の性格に近づいていたのだろうか。


わたしは意識だけの存在なのだろうか。体は借り物である、そういう考えを持つ人は多いが、私もそのように思っている。あくまで自分が他人よりもうまく体を動かせているだけで、それは私の体だからではなく、この体と長い間付き合い続けていたからだ。その証拠に、100%自由に自分の身体を動かせるものはない。


悪霊憑き・憑依などといったものは、意識が乗り移った状態であるから、悪魔憑きが信じられていたころは意識の変動性が考えられていなかったのだろう。別の何かが入ってきて、その人の人格はどこかに追いやられた、と捉えていたのではないか。


とにかく、私を成す者はわたしだけであり、それは意識のなかのみである。

私の意識が誰かに乗り移ったとしたら、その体はわたしのものであって私のものではない。

しかし、考えは私のもので、行動のポイントも私によって決定される。


パイロットが違えば機体は変わる。しかし、それは別の機体になったとは言わない。これはなぜなのだろうか。


おそらくこれは、中学時代にみていたガンダムの影響も少なからずある。ガンダムの物語では、基本的に中心的人物一人につき一つの機体が用意されていたが、初代においては二人が「ガンタンク」と呼ばれる、戦車の上に体を付けたような(それでいて腕と肩にキャノンがついている)を操っていた。これは両方ともガンダンクであり、パイロットの違いは名称の違いに関係しない。


しかし、おそらく私の意識が誰か別人のものと入れ替わったとしたら、それは誰かというと私であり、私の身体に別人の人格が入り込んだとしたらそれは私ではないというと思う。


この矛盾はなんなのだろうか。

未だ答えはわからない。

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