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鬱ったら書く。  作者: ナナオ
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エンドロールが流れ始めると、少し寂しくなるのは

物語の明日を、見届けられないからだろうか。

それとも、私の人生(にちじょう)が、いつ打ち切りになるかという恐怖からだろうか。

明日は当たり前に来て、その次の日もまた流れると思って、

続く日常は、いつも私をからかう。


最終章の幕が下りる前に、私がしたいことは何だろうか。

今際の際では、私は何を話すのだろうか、何をしているのだろうか。


今日を生きる。

せいいっぱい生きる。

そんなあの子が輝いて見えたのは、

命の残りの火を、大切にしていたからだろうか。


ふとした時に、何かをすることが、唐突に空しく、悲しくなることがある。

こんなことをしていていいのだろうか、もっとすべきことがあるんじゃないか。

それ(・・)は私に尋ねる。

しかし、何をすればいいのか、きっかけもくれないそれは、無責任に使命ばかりを、押し付けてくる。


砂丘に投げた砂粒を一つ見つけるより、もっと難しく。

ミレニアム懸賞問題を解くよりも難しく。

そして、答えがあるかどうかも分からない。

それ(・・)は私にUMAでも探せというのか。


追い立てられて、彷徨って、傷ついた体を引き摺りながら歩いて。

追い求めても、見つからないそれは、疲れ果てて諦めかけたときに現れたりして。

実はそれは隣で、いつも私に笑いかけていたりする。


誰もが探している、自分らしさという宝(アイデンティティ)

己の全てを懸けられる、天職(やりたいこと)

そして、自分の存在意義。



そんなものを、私は。

いつも探している。


見つかるかなんてわからない。

もしかしたらないのかもしれない。

それでも、諦めることはない。


私は、どこかにある、ないかもしれない、そんなものが、

きっと見つかると、信じるに足る証拠が、

私の周りにあることを、知っている。


絶対はない。確証はない。


それでも私は、その答えを

ひたすらに探し続ける。


明日世界が、終わってもいいように。

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