【後悔と紅海】
何時からかは、誰にも判らない。だが、刻が経っているのは、誰にでも判る。
――――もう、次の日に成り果てていた。かなりの夜中である。
「―――っ。っ―――――あ――――っ。」
――――リリエス。君はきっと、破壊魔を見返すことができるさ、君自身の【正義】がある限り。
ううむ、やっぱりリリエスは偉いぞ。
きっと、良い未来が待っている。
――――声が。.....声が、頭で、再生される。リリエスの【恩人】の声なのだろう。
――――いや、そういうことではないのだ、【リリエス】。
・・・私は、【狂い者】をこうはしたくなかったのだ。こんな狂った正義はいらない――――
私はただ、悪を壊したかっただけだったのだ。
それがエスカレートし、こんなものばかりに・・・
【化け者】の【運命】をつくったのも、こんな少女も正義ができる、
と伝えたかっただけで・・・
――――・・・元凶様――――そう、だったのですね・・・
同時にフラッシュバックする、リリエス自身の声。
――――そこで、君にお願いがあるのだ―――
そ――――五人の中―――死神タナ―――スと―――神リシスが、確実に仲を―――集め、
仲間―――共に狂い――――を助ける方法を考えて―――のだ―――
さす―――に君の夢―――か私は存在できな―――のだから、あの者のところへ行き、
く―――達と化―――を共に説得しに行こうと言ってくれないか―――?
――――ここで、記憶が乱される。
そ――――れば君の未―――って、きっと変わる―――だ――――
――――お任せ―――い。―――様――――!
――――記憶が乱される中、聞こえてくる――――
【自分】の足音。
「嫌ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」
――――バシュリ、ブシュリ。
――――リリエスは調子に乗る嫉妬型破壊魔を、バタバタと壊す。怖こわす。恐こわす。
――――壊されていく破壊魔達は、後悔の眼をして壊れていった。
「ヒギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァア」
心の血が舞い、後悔した破壊魔達の血が大量に流れ、あっという間に紅海と化す。
―――運命は、残酷だ。