【自分と恩人の全てのために、変われ】
「ヒギィァッヒヒァァァィィィィィィィィィッッ!! ヒァァァィィィィィィィィィァァァァガヒィィィ!!!」
月が紅く朱く緋く染まるように、破壊魔の血飛沫が空を舞う。
「―――全く――――こんなに早く破壊魔が現れるなんて予想外です… …確かに破壊魔は破壊したはず…
なのに、こんなに大量居るなんておかしい――」
―――何時だろうか。ルトや花華ももう寝た頃、リリエスは大量の破壊魔と戦闘を交わしていた。
「…このままじゃ埒が開かない…応援を喚ぶしかないですね」
カチャリ、と音をたて、リリエスは謎の機器で超音波を発生させた。
「!??!??? グェェァヒゥッヒィィィィィ!!!」
超音波の波動で、何匹かの破壊魔が散った。
「…少し負担が掛かりますが――――応援が来るまで…ちょっと、だけ――っ
【分身・怪術】…っ」
シュシュシュシュ、と音をたて、5人の分身を創り出した。
そして、その分身はすぐに破壊魔への攻撃をはじめる。
『『『『『――――破壊魔駆逐ヲ開始イタシマス』』』』』
リリエスの分身はそう言い放ち、攻撃を開始した。
「ヒギィァッヒヒァァァィィィィィィィィィヒァァァィィィィィィィィィヒギィァッヒアギヒィィィアッ!!!」
「ヒギャヒギャヒァァァィィィィィィィィィヒァァァィィィィィィィィィヒァァァィィィィィィィィィヒァァァィィィィィィィィィヒァァァィィィィィィィィィ」
「ヴンウヴヴヴァァァヒギャヒギャ…ヒァァァィィィィィィィィィヒァァァィィィィィィィィィ!!!」
「――ひとまず、大丈夫でしょうか…あとは封印術をかけ、応援に任せるとしましょう…
【封術】っ…」
術を使い体に負担がかかっているリリエスだったが、別のところからも破壊魔の波動を感じ、
別な地域へと走るのだった。
「.....っ」
リリエスは、唇を噛み締めた。
...とある恩人のことを想い出していたのだ。
―――「・・・私は、狂い者をこうはしたくなかったのだ。こんな狂った正義はいらない―――」
―――「そうすれば君の未来だって、きっと変わるはずだ―――――」
「―――私は、変わる―――元凶様―――そして、私自身の、ために―――
私は――――っ」
そして、リリエスは一度立ち止まり、また走り出す。
精神を犯す最悪の人間、破壊魔の駆逐をするために――――。