【摩訶不思議満月の夜】
「―――着きましたよ。ここが仮の避難場所です」
リリエスが口を開くと、四人はぱっと顔色を変えた。
「ん、なんか予想より豪華っすね…? 普通の家みたいっす」
「失礼かもしれないが…なんというか、もう少しボロいと思っていたな…」
「…でも、すぐに破壊魔に壊されてしまいますから、壊れたらまた別の場所へ行かなければならないのですよ」
「ね、ルト、あっちにベットがある! ねぇ、リリエスさん。私寝てていい?」
「…いいですよ。破壊魔は此処等にはいないみたいですし…少なくとも、夜中までは破壊魔は居なくなるでしょう」
「…じゃあ、部屋で自由にしていいんですか」
「はい。私は別な地域で小さな破壊魔を狩ってきますので…夜中になる前には帰ってきますから」
「了解っすーー! 」
そうして、四人は避難場所で過ごすのだった。
――――「… … ト。 ルト。…ルト。起き、て」
「…花華」
それは、どれくらい寝たのか分からないまま、花華にただ起こされた。
「…外、見て。満月が――――」
「――本当だ…綺麗… …」
「ルト、外出よ。」
「えっ、でも――」
「いいからっ。ほら、行こ」
扉を開けると、綺麗な月と星が、ルトと花華を待っていた。舞っていた。
満月は、不思議な色をしていた。狂っているのか、そうじゃないのか、解らない色である。
「「…綺麗」」
――そんな風に摩訶不思議な満月に見入っていると、何処からか足音が聞こえてきた。
「――二人も、月見ですか。どうぞ、菓子がありますので」
「あっ、リリエスさん――――ルト、どっちにする?」
「じゃあ――――こっち」
「分かった。私はこれ食べるねっ」
「では、私は中に入っていますので…そういや、他の二人は?」
「…部屋で、まだ寝てます。 …あ、花華、見て、あれ」
「わぁ、流れ星だ! ね、ルト、何を御願いする?」
「…まず、この空間から無事に脱出することと、あと――」
「おー、あとなにー?」
「…楽しそうでなりよりです」
リリエスは、そんな独り言を言い、部屋へと入っていった。