【逃走の螺旋 ~the start】
「人の精神を奴隷とし、破壊する破壊魔――
はああああっ」
その瞬間、少女の手から光が飛び散り、化け物のようなものに向かい攻撃した。
「ジネェェェェアッ!!!!? ジネェェェッ」
不気味な悲鳴をあげると、化け物のようなもの四匹は逃げていった。
「間一髪でしたね――――」
「――あ、あの――助けてくれたんですか――?」
花華が話しかけると、その少女は少し経ってから口を開いた。
「――――はい。私はクロロ・リリエス―――ここは破壊されし人間が閉じ込められている
破壊魔悪夢世界。破壊魔の狂った破壊の想いで創られた世界」
「破壊魔――――って、自分にとって精神を破壊をしてくる奴っすか…?」
「そうです。貴方達が襲われていたのは――四大最強破壊魔。そう、貴方達にとっての破壊魔が、
悪化したものなのです。
観たがり★ゾンビ――――BLやその他の趣味を見て攻撃したがる親の破壊魔。
嫉トリプル★エンジェル――――いわゆる知ったかぶり嫉妬の破壊魔で、三匹で一匹。
越したが★デビル――――一番じゃないと落ち着かないたがりの破壊魔――
そして、認め★ナイトメア。
趣味全てを全否定する最狂災厄の破壊魔。」
「!! ……」
「私はここに閉じ込められた破壊されし者全員を助けにきたのですから、情報は把握しています…
ルトさんは観たがられ、花華は趣味を全否定され、カイトさんは知ったかぶりのにわかに嫉妬され、
杓之さんは振った後輩が毎日越して格好をつけ、破壊され。」
「「「「…はい」」」」
そこにいる四人は、一斉に頷いた。
「――――そういや、また自己紹介してなかったよね――――。えっと、灼之さんだっけ」
話を切り出したのは、花華だった。
「そう、だね――――
...ルト。篠式、ルト。中学一年生で、二次元とか、好き」
「はいはーーい、私は霜扇花華。ルトの同級生で親友で、二次元とか声優とか好きでっす。」
「徠悠慈カイトっす!! 小6っす。篠式先輩と霜扇先輩の友達で、マジ同志!! っす」
「・・・硯灼之、中三だ。自分で言うがゲーマーだ」
「ふぇぇぇっ、硯先輩ゲーマーっすか!! 同志っす~」
「――――自己紹介が終わったところで、本題に入りますね――――
私の分析の結果、この地獄の世界を終わらせるには、最短九日かかります。
――――その間、破壊魔から逃げ切って下さい―――私もできる限りはします」
「逃げ切る―――つらいかもしれないけど――――よっしゃ、がんばろ、ルト!!」
「ふぇっ、あ、う、ん―――。」
「これからよろしくっす、硯先輩っ。」
「―――おう。」
ここから始まる、四大破壊魔に襲われし人間の御話。
ルト達は逃げ切れるのか――――――。