宣戦布告
私は緊張を落ち着かせようと持ってきてくれたドリンクに口をつける
うーんおいしい。またご注文がありましたらどうぞ。とフロントマンが私に声をかけてくる。
やつめどれだけ前払いしたんだ。
私は丁寧にお断りを入れて、手紙を開いた
そこには一言。
「わたしにゃあ勝てないし追い付けませんよ」
私は手紙を畳み、フロントマンを呼ぶ。なぜかひゃっ!と声を上げた後、申し訳ありません。と一例をしてきた。
「鴻ノ池さんは?」
「チェックアウトされております。」
私はお礼をして、走った。にゃろうめ!!マジでゆるせねえ!!
絶対探しだしてやる!!
けどもう電車に乗ってたらどうしよう。それこそ新幹線は大阪まで結構な本数出てるのだ月曜日の朝なんか特に、と思った矢先フロントマンが追いかけてきた
「鴻ノ池様は30分ほど前に皇居の方へ歩いていかれました。いつも散歩しているらしいので急げば間に合うかもしれません。」
将来私が金持ちになったら四半期に一度ここに泊まりに来ることを決意した。
「ありがとうございます!!」
皇居の方へ私は走った。つーか九段下ってこっから歩いて40分くらいかかるはずだ
あいつ暇なんか!!
走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る
赤城神社、善國寺を抜け理科大を横目に走る走る走る走る走る
KADOKAWAを尻目に抜けたとき
「止まれボケナスぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」
回りの人が不審者を見るように私を見た。それがどうした知るもんか
私が声をかけた男はその場でとまり、おりょ? と首をかしげた。
「こりゃ、思った5000倍は早い」
上から何かいっている。何の予想を立ててんだ!
そんなこたぁどうだっていい
「私はあんまり余計なことは言わない!!!」
約30m離れたそいつに対して私は必要以上に声をはる
「おいつけない? 笑わせるな!!! 少なくとも今! 私は!! お前に!!!追い付いた!!!!」
回りの人はキョトンとした顔で私を見ている。叫んでいるのが普通の人なら途中で変人だとスルーして歩き始めるだろう。しかし私は絶世の美少女、それが和服を着た若い男に叫んでいる。
なかなか愉快な光景だ。なんだっていい
「なめるな!!」
「最短距離だ!!」
「最短距離でお前に追い付いてやる!!」
「覚えておけ!!」
「私はお前を引きずり落とさない!!」
「私はそこまで、お前のいる場所まで行って!」
「お前を追い越す!!!」
これは私の宣戦布告だ。