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天を打つ  作者: ああああああああああ
5/28

本因坊

「で、肝心の彼は?」

「明日の対局に備えて帰りますわ。って言って帰ってった。」

「ほうほう、なるほど。」


 生駒が腕を組んで相槌をうつ。つーかそのうでの上に乗ってる肉塊よこせ。寄越さなくてもいいから揉ませろ


「てか対局? 今雑誌で見た感じ本因坊さんって関西棋院?ってところ所属なんだよね。こっちで対局なんかあるの?」


さっきの雑誌を買った来たのだろうページをパラパラ捲りながら、ところどころ疑問符をつけて橿原が聞いてくる。


「あー、多分この時期ならそれこそ本因坊戦なんやと思う。」


本因坊リーグ。大手新聞社主催の棋聖・名人リーグに並ぶ三大リーグ戦の1つ。

このリーグに食い込むことそれ自体が一流棋士の証とまで言われる、棋士ならば総ての者が目指すべき道。

 優勝賞金3000万。六段以下の者が一年間を通し行われる予選から這い上がり、本因坊リーグに挑戦することが叶う、それだけで七段へ優勝すると九段に昇段する。そして、本因坊決定戦優勝者のみが許される本因坊という棋士にとって特別な雅号。それを名乗ることが許される。

 去年、その本因坊を制した鴻ノ池童心は近年優勝者でも本因坊の雅号を名乗らない棋士が多くなっているなか、堂々と本因坊を名乗った。

 

  本因坊 鴻心

 

関西棋院の設立経緯にも大いに関与した本因坊。そのタイトル奪取に関西は大いに沸いた。

その本因坊決定戦が今年は東京開始らしい。私はそれも知らなかった。


「へー、なんか凄い試合なんだね。そんな人と知り合いなんだ。さすが元天才」

「やーめーてーくーれー」


わめく私を生駒がつつきながら


「ねえねえ、この後本屋戻る? どうする?」


と、聞いてくる

乳を揉ませろ。と云いたいところだが


「ごめん、今日はちょっと疲れた。先に帰るわ。」


そう吐き出すので精一杯だった

ちなみにお会計は私と私の友達の分を含めて鴻ノ池が全部お支払していた。友達が来るとか言ってなかったのに、恐るべし本因坊。

 

「ただいまー」

「おかえりなさい」


私はリビングに滑り込みそのままソファに倒れた。


「制服しわになるから先掛けてきなさい」

「今日はかんべんしてー」

「いつもやろ」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」


諦めて立ち上がる取り敢えず制服をハンガーにかける。そのまま伸び伸びとソファに転がった


「ねー、かーさーん」

「なんやねんさっきからだらだらと」

「さっきさー、鴻ノ池のボケに会ってん」


母さんは驚きながら家事の手を止めた


「鴻ノ池って向こうすんでたときの鴻ノ池 童心君?」

「そうそう。別名本因坊 鴻心」

「へぇー、そうなん! どこで?」

「本屋」

「へーそんなところで。偶然もあるもんやな。けど、明日から本因坊戦やし無いこともないか」


明日から本因坊が始まるのを母さんは知ってたのか。


「懐かしいな。私がご近所さんに引っ越しのこと話してたら、鴻ノ池君がたまたま近くにいてて彩葉は転校するんか聞いてきてん」 


 おん? 私が小学生の時鴻ノ池から聞いた話とちゃうな


「で、そやねん。って答えたら『おばちゃんありがとう!』って言って走ってったわ。あんたの事好きやったんちゃう?」

「ま、せやろな」


まあ、実際愛の告白されてるし!


「あんたの反応ほんまにかわいくないわー。誰に似たん」

「母さんではないやろうな。私の美貌と気高き精神は神に愛されたからやと思うし」

「あー、イヤやイヤや。あんたのどこがええんか私には分からんわ。あとあんた関西弁戻ってるで」

「・・・・あ、ほんま・・・・だね?」

「・・・・・」

「・・・・・・・」


 ・・・・標準語が上手く喋れねえ

 

あ、なんかしら評価してくれると嬉しいです。

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