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天を打つ  作者: ああああああああああ
24/28

反対


「で、その先生は?」

「武蔵野あたりに住んでるんだよねー。けどさ」

「けど?」

「行ったら絶対殺されるじゃん?」

「そんな朗らかな顔で言う台詞じゃないよ」

「かしはらぁ、彩葉が別次元生きてるよぉ」


 私の言葉に二人は怯える。この言葉は、中2臭い「殺すよ?笑」みたいな感じじゃない、行かなくなった時も逃げるようにやめた。そして先生の性格だろう、その後連絡は全然なかった。けど、私には分かる、あの人ぶちギレてる。4年たった今でも軽く顔を出せばイかれる。


「けど、暴言だけでしょ?そんな暴力は無かったでしょ?」

「うーん、暴力自体はそんな無かったな。殴るとか蹴るとかさけどカチカチ山事件ってのがあってさ」

「「カチカチ山?」」


二人が声を揃えて聞いてくる。まあ、この言葉じゃ分かるわけないか。私は懇切丁寧に解説を始めた。


「知ってる?おとぎ話なんだけど」

「あの、原作結構グロいのだよね」

「たぬきの背中に火焚かれて燃えるやつだ!」

「そうそう、それ」


私は、おーよしよしと生駒を撫でながら返答する 


「私がさ、夜通しで先生と囲碁の研究してるときに眠くなったのね。」

「うん」

「で、うとうとすんじゃん」

「うん」

「するとね、意識の外から歌が聞こえてくるの」

「ほう」

「『かっちかっちやまのたぬきさん』って」

「・・・・・」

「嫌な予感がしたよね。目を急いであけるじゃん」

「・・・・・・・・・・・」

「火のついたマッチが目の前に飛んできてた」

「「やべえ!!!!!」」

「しかも、それ先生の家のソファ。いやーあの時ばかりはマジで死んだと思った」

「殺人未遂じゃないそれ?」

「そういう側面も無くは無い。」


「で、彩葉その先生にもう一回教わるの? やめときなよ私は反対だよ」

「私もそんなによろしくないかなーと」


二人は私を心配してるのだろう、言葉は選びながらも、要するにそんなろくでもない人間の元に戻るなと言ってくる。けどそんなこと


「・・・・るさい」


今の私にとっては大きなお世話だった

つい、転がり出た言葉に回りが凍りつく


「は?あんた何て?」

「いろはーやめてよ喧嘩はやだよ」

「うるさい」


けど、私はその言葉を撤回することはなかった


「あんたね!!」

「私だって反対じゃボケぇ!!誰が好き好んで奴の元に戻るか!!嫌やわ!!絶対戻りたくないわ!!あいつのせいでどれだけ性格歪んだか!! あいつに結構門下生いたけど奴のせいで全員が全員『みんなで、強くなろう!!』って精神から『いや、あいつらどうでもいから自分だけが強くなりたい、出来ることなら他は全員死んでくれ』位のメンタルになるんだぞ!!そんなところに誰がもどるか!!!」

「あ、そっちなんだ」

「いや、そっちか」

 でもさ

「でもさ、強くなるにはどうしてもしなくちゃいけないことがあるんだ」

 私は呟いた。そう、私は強くならなくちゃいけない。だから

「だからありがとう。二人とも。でも私、ちょっと行ってくるよ」

  

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