女子高生
「四子?四子で良いのかい?」
高の原さんは私に聞いてくる。
「嬢ちゃん、この人そこらへんのプロより強いよ。勝つ気なら四子じゃだめだよ」
近くで打っている人から突っ込みが入る。ええい、うるせえ。んなこと分かってる!なんて言えない私は
「勉強させてください。」
深々と頭を下げた。
「そ、そこまで言うなら」
頭を下げる私を見て、少し動揺しながら高の原さんは四子を承諾してくれた。
そして四方の黒点に石を置き対局が始まった。
「君、だいぶ打ってるね」
対局が始まってしばらくして高の原さんが私にそう言ってきた。
「そ、そうですかね?」
私の正体ばれてないよね!!?
「うん、たまにあれっ?って思う手を打つけど、そのミス以外は見事なものだ。むしろミスが不自然なくらいだ。どれくらい打っているんだい? 」
どうやらバレていないようだ。
「誉められるほど打ってませんよ」
私は安心してそういいながら私は打つ手を止めないでいた。
「うーん、ここまでだね」
打ち初めて二時間、確かにもう打つところを私は見つけられない気がした。けど、なんだこのモヤモヤは。
「嬢ちゃん、もう打つとこねえよコレ」
途中から近くで見ていたおっさんが私にいってくる。うっせえなクソじじ・・・・喧しいわね。このお年寄り
「どうする?まだ打つかい?」
うーん、この対局どう考えても寄せまで行くことなく私の敗けが確定している。・・・・気がする
けどなぁ、なんだかなぁ。もう少し粘れそうな。うーん
「わかりました。一緒に並べ直してもらって良いですか?」
「もちろん」
パチッパチッと室内に碁石を打つ音が響く。女子高生と良い大人の両者イラついたら声と共に
「だーから!ここの桂馬打ったら生きるじゃないですか!!」
「いや、君ね?ここ打ったけど、この後こう対処されて死んだでしょう!?」
「それは!わたしの!ミス!!さっきは雑念が入って意味わからないところに置いてしまったんです!!」
「はいー!ミスはミスです!!その時点で考え付かなかった手を今ここに打ってたらなんてのは負け惜しみですよ!」
「ぐぅうううううううううううううう」
「おい、あの嬢ちゃんなにものだ?マスターといっぱしにやりあってるぞ」
「いや、わからないけどかわいいな。どこかで見た気がする」
「俺もだ」
「俺も」
「あ!思い出した!!」
「なんだなんだ?」
「昨日、俺が見た女子高生ものの」
「おい! 誰かこのバカの口ふさげ!!」