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天を打つ  作者: ああああああああああ
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ファーストコンタクト

ヤツを知ったのは私が小学校を転校する直前だった。いや、存在は知っていたけど別に関わったことが無かった有象無象の一人っていうのが本当のところだ。


 「転校すんの?」


 いきなりヤツはそう話しかけてきた。

 私はそんな、いきなり話しかけてきたヤツに少し驚きながら


 「せやったら何やねん。」


 と返した。

 

「いや、別に何でもない。うちのオカンが自分が転校するって言ってたから少し気になっただけ」


 そもそも私からしてみたらお前誰やねん。って話だったけど、さすがにそれは口に出さない。私は気のきくいい女なのだ


 「なんやねん。転校直前になって、イジメに加わっとけば良かったってか?」


 私、畝傍彩葉(うねび いろは)は、この当時小学生ながら異常な勝ち気のせいか非常に嫌われていた。

それに加えて学校も休みまくっていたから、さらに拍車がかかり端的に言うとイジメられていた。

 

「いや、ちゃうちゃう。別にそんなこと思ってへん」


 ヤツは手を大袈裟に降りながら弁明をしてきた。

ほなら何やねん。


「転校しちゃうことを少し残念に思ったんや」


 は? 何言うとんねんコイツ

私は驚いた本当に何を言っているんだコイツは


 「自分な? 今まで、さんざんいじめられている私を見ながら、特に助ける的なスタンスも見せずに、転校するって聞いて、いきなりそんな事言い出すってどんな神経しとんねん。」


 私は、少し怒りながら早口でまくたてた。しかしヤツはヘラヘラしながら


 「だって、別に自分助けて欲しそうにもしてへんかったやん。むしろ関わるな的な態度でしたやん。」


と返してきやがった

何やねんコイツつかみ所がねえ。


 「確かにその通りやけど。それでも普通はいけしゃあしゃあと『助けて欲しそうにも無かった』とかそんな事と言わへんねん。」

 「ほならな、逆に聞くけどやで僕が助けに走ってたら君はどんな態度で対応した?」


私は少し想像してみる、机の上に書かれた落書き、いたずらされた上履き。それを見つける度にコイツは助けに来て。一緒にがんばろう! と励まし。

時に悩みを打ち明けてる。そんな、関係

 ・・・・・・めっちゃウザそうな顔してたやろな

 

「な?」


人の勝ち誇った顔ってここまでイラつくんか

めっちゃウザい顔しとるなコイツ


 「まあ、そういうことにしといてもええわ。ほなら何の用やねん。愛の告白か何かけ?」

 「そう!それ。」


こんな事自分で言いたくないが私の顔はずいぶん整っている。

これは自惚れでもなく客観的な事実だ。

思い出作りに最後の告白だって、まあ、無くは無いだろうしありえるだろう。たとえそうだったとしても


 「最後の最後にこの告白はないわー」

「まあ、その自覚はある」


 ヤツはそう言って、またヘラヘラ笑った。 


 しばらく私たちの間に微妙な間が出来た。私はそんな間に耐えられなくなり


 「ほな、帰るわ」


 そう言って手をひらつかせた。恐らくだけどヤツは返事を求めていない。そんな気がした。


 「待って」


 ・・・・予想外れ期待はずれ。かっこ良く去れると思ったのに。私は心のなかで悪態をついた。


 「なんねん」


 不快感を顕にしながら答える

 折角ちょっといい思い出みたいにしようと思ったのに台無しにも程がある。


 「自分、囲碁続けるん?」

 「・・・・なんで知ってんねんワレコラ」


私が学校を良く休んでた理由をヤツは知っていた。


囲碁。


2000年以上の歴史を誇る二人零和有限確定完全情報ゲーム。

より大きな地(陣地)を争い、19×19の目が敷かれる盤の上で石を配置する。

 その、ゲームにおいて私は関西小中学生における最強を誇っていた。結果様々な大会に出場するために学校を休んでいたのだ。

ちなみに転校の理由とは全く関係ない、ただの父の転勤だ。

しかし囲碁自体言い方は悪いが普通の小学生はやらない、じじばばのやるゲームだというのが正直なところだ。

 将棋ほどルールが分りやすくなく、子供たちにさほど人気はない。

 だからコイツがそれを知ってることにまず驚いた。

が、彼は事も無げに


 「知ってるもクソも、有名人やないか。」


 そんな私の疑問にヤツはそう言い放ったのだ

私は初めてコイツに少し興味を持った


 「なんやねん、あんた打つんけ?」

 「やとしたら何ねん?」

 「純粋な興味や」

 「打つで」

 「棋力は? 」

 「君くらいならいなせるんちゃうかな?」

 「は? 」


 カチンと来た。何言うとんねんコイツ。ヘラヘラしときながら。私の棋力を知らん分けちゃうやろうに

 

「自信過剰なやつはこまるな。私に勝てる? 寝言にもならんわ」

 「ほなら一局打ってみる?」


 ええな、やってやろうか。と思ったものの


 「はっ、死ねや」


 私の一局はそこまで安くはない。


 「残念やなぁ」

 

 ヤツと私のファーストコンタクトはこんなもんだった。なんでそんなこと覚えてるのか? と突っ込まれると、このコンタクトが私にとって後々大きな衝撃になったからだ。

 

今回はがんばりたい

いや、前作も全前作も書き終わっているんだけどね。メモ帳に書いちゃったせいでコピペがまあ、だるいのよ

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