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頭から消えた   作者: 春風
4/55

頭から消えた 4

埃がかかり(すす)けたソファー、その前にはガラスの机がある。

ここに何か自分を知る手掛かりは無いか。

男が必死に探し回る。


しかし、あるのは何の変哲もない物ばかりである。

男が深く溜息を吐きドタッと倒れるように座り込む。

「何なんだよ」


震えた声で嘆く。

警察に届ければ何かが見付かるだろう。

それが一番手っ取り早い。


だが、男は自らで自分のことを知りたいのだ。

自分がどんな人間だったのかも不安がある。

もしかしたら相当な悪人だったのではないか。


本当は知らない方が良い場合もある。

だが、男にとって今のまま過ごすことは地獄にもあたる程苦痛だった。

男がフラつきながらも立ち上がる。


涙を腕で拭いながら部屋を出た。

廊下を奥へと進んで行く。

すると目前と右側に扉が現れた。


男は少し悩んだが、右側の扉を選んだ。

扉を開けるとそこはダイニングキッチンだった。

テーブルの上には料理が並べられている。


よく見るとどの料理も腐ってハエが(たか)っていた。

男は気分が悪くなりシンクに吐いた。

吐いて気分が少し楽になったのか、男が探索を再開する。


料理が出されたままの状態。しかも、相当な時間置かれていたのが分かる。

これは何を意味しているのか。

一体何が起こったのか。男を不安という名の魔物が押し潰す。



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