PartOne≪毒≫第三話:不死人
秋葉原ともなると、週末と祝日は言わずもがな、平日も人混みですね。良い天気と温かさとが相まって、本日も賑やかです。
そして秋葉原の北に位置するある撮影スタジオがよく注目されております。ここは面積と規模が小さくて、非常に狭そうな感覚ですが、日本のみならず、全世界の子供と大人達に無数の希望とゆうきを与えた怪獣とヒーローの特撮作品を制作したスタジオジブラヤです。今は≪ゴシライ≫という怪獣映画を撮影していて、現場に居るスタッフ達の声が飛び交っています。
ある男が巨大怪獣の着ぐるみを装着して、町のミニチュアをぶっ壊している。どうやら大迫力の怪獣の破壊シーンを撮影中ですね。
その時、監督が"はい!カット!"って大声を出して叫びました。
怪獣を演っている男が着ぐるみを外して、すぐに深呼吸しました。顔も肩も汗だらけで、息もちょっと苦しくて、なんか大変そうですね。この男は大空武、年齢は40歳だけど、誰も信じられないほど若くて、顔も様々な女性から人気が集まっているイケメンです。主人公秋山信一と中村真司のおさ馴染み=大空優衣の父親です。
"武、お疲れ様!今日の撮影はこれで全部です、明日の朝10時半ここで最後の対決シーンを撮影して、終了したら、映画は完成です!明日もよろしくなあ!"監督が大空武の近くに寄って、先の話を言い出した。
"ありがとうございます!"と言って、大空武が現場に置いてある椅子に座って、水を飲んだ。
"ところで、今作のシリーズ構成と脚本の創作を担当した法子さんはどうなっていますか?失踪してから、もう二週間ぐらい経ちましたね。警察の連絡は?"大空武が不安げな顔をしています。
"ワシもあの子の身の安全が心配してる。警察の新情報によると、友人や両親が住む田舎にも戻っていないみたい。完全に消息を絶った。。。最近失業率が高くて、殺人犯罪も多発してるね。やっぱり怖いわ、人間世界って。。"監督の顔にも不安な表情が浮かんで、タバコを吸いながら、ゆっくり歩いて、スタジオの事務室に戻りました。
大空武がカバンの中から既に準備しておいたタオルを取り出して、汗を拭って、スマホの画面を見た。 時間は午後六時12分。
実は本日は大空武の娘の優衣の誕生日で、午後六時にJR秋葉原駅の前で集合して、近くのレストランで誕生日お祝いの食事をすることを約束しました。
"いけない!もうこんな時間!"大空武が慌てて片付けて、カバンを持って、外に飛びした。全力を尽くして、約束の場所を目指して走り出した。
"お父さん 遅いわね!なにやってんの?もう六時45分だよ!LINEでメッセージ送っても全然返信来ない。いつまで待たせる気!?"大空優衣が学校の制服を着て、駅の前でうろうろしていて、ちょっとイライラしている様子。
突然電話が鳴った!
"あ!きっとお父さんだ!"優衣がLINEの返信を確認したが、大空武のメッセージじゃなくて、真司からのメッセージです。
【優衣ちゃん、誕生日おめでとうございます。ごめん、うちの父ちゃんが体調が悪くて、面倒をみないといけない状態なので、あなたの誕生日祝いに参加できない。本当にごめん!】
“バカ!"
"ごめん、待った?"大空武が走りに走って、やっと着いた。
"もう!めっちゃ遅い!もう一時間ぐらい待ったぞ!"優衣がぼやいた。
"ごめんね、今日も仕事が。。。あ!そうだ、誕生日プレゼント。"大空武がカバンから高級ブランド品の化粧品を取り出して、優衣にあげた。
"ありがとう!お父さん、前から欲しかったよ!大遅刻したけど、許してあげるね!"優衣が非常に嬉しそうで誕生日プレゼントの化粧品を受け取った。
"さ、共に行こうか!もうずいぶん遅くなったけど、空いている席があると思うよ!"
"うん!"
2人が近くのレストランに行って、窓際の座席に座った。22階の高層ビルとあって、美食を享受しつつ外の素晴らしい夜景を眺めることが一番いい体験ですね。お客も少なくて、意外にものすごく静かなレストランです。
お誕生日の祝いなので、普段は滅多に豪華な料理を食わないが、今日はたくさん注文しました。朝からずっと撮影してたゆえに、体力も相当激しく消耗した。今の大空武は飢餓状態なので、貪るように食べ始めた。でも、優衣がずっと座ったまま、なにも食べていない。なんだか悩みを抱えているみたいです。
"どうしたの!優衣?口に合わないの?"
"いや、そうじゃないよ。あのね、お父さん、実は真司君が私に告白した。私のことが好きって。でも 拒絶せざるを得ないね。私は他人を愛することができないから。だから、嘘をついて、はっきり拒んだ。私は不死だから、時間が進むにつれてだんだん老けていて、死亡を迎える愛する者を見たくないから。。。"先嬉しく笑っていた優衣が突然頭を下げて、悲しいことを思っています。
一番大切な娘の切なさを見て、大空武も止まって、静かになった。
"理由と原因をちゃんと説明したいが。。。。。。。。。。 そうだね、誰も信じられないだろう。約四百年前、一人の男性とその男性のムスメが瀕死状態になった時、一匹の赤竜に救われて、その赤竜の体内の【護体龍珠】のおかげで、現代まで生き延びたなんて。
赤竜は太陽の神と月の神より力を頂いて誕生した聖なる獣。口から激しい炎を吐き出すことができて、全身の鱗が真っ赤で、赤竜の一族が天空の龍穴に住んで、朱雀と同じように世界の南を護る使者。そして、【七面天女】だと呼ばれている赤竜の王が若い赤竜たちを人間の世界に行かせて、人間のことを習わせた。しかし、普通の人でも龍の肉を食ったら、不死の力を手に入れることができる。もし龍の血を飲んだら、不可思議な異能力が身につく。たとえ龍の鱗でも、それを粉にして、薬の材料として用いると、どんな頑疾でもすぐ治れる。人間にとって、龍は高く売れるもの。したがって、赤竜たちの生命を狙うハンター達まで現れた。そして、一匹の無邪気な赤竜がハンター達に騙されて、魔力がある矢にやられて、重傷を負って、森で倒れた。近くの村に住む男とその男の娘が偶然にそこを通って、慈悲の心と優しさで、あの赤龍をこっそり家に連れ戻って、一生懸命面倒を見て、半年ぐらいかかってやっとあの赤龍を助けた。あの赤龍もその男に愛を抱き、自分の使命を忘れ去り、人間の女に化けて、共に暮らし始めた。すごく優しい赤龍がその男の娘を自分の娘として大切に扱ってるから、その娘も赤龍を認めて、お母さんと呼び始めた。でも、この秘密がバレて、男とその娘が赤龍を護るべくハンター達と死闘し、重傷を負った。赤龍が涙を流しながら、体内の最も重要な【護体龍珠】を吐き出して、半分にして、男とその娘を飲み込ませて、消えた。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。ごめん、言いたくないけど、年寄りだからね"
すると、その時、レストランの店員が大空武に代わって、とても大きな誕生日ケーキを持ってきた。もちろん、火が付いてる蝋燭もある。
"早く願え!"
"願うまでもないさ。私の願いは一つだけ!”と言って、優衣がすぐ誕生日ケーキの蝋燭を吹き消した。
“大丈夫、安心しろ。父ちゃんはきっと何とかして、あなたを普通な人間に!愛する男と恋愛して、結婚して、子供を産む。。。最後は幸せにこの世を去る。"
"ありがとう、父さん。この世には死にたくないと思っている人間が無数居る。私たちはすごく死にたいと思っているのに、死ねない。。。。皮肉だね。自分のやりたがることを全部やって、最後は自然のルールに従って、世を去る。。幸せそう!"
大空武が外の月を見て、あの赤龍を偲び始めた。
"父ちゃん、また母ちゃんのことを偲んでいるの?"
"いや、偲んでいない。"大空武が否定したが、そうでもなさそう。
"嘘!じゃ なんでいつも他の国に移住しようと提案してたのに、まだ日本で暮らし続けるつもりなの?待っているでしょう?母さんとの再会を。。。。。でも、私たちは四百年の時間を使用して、日本全国のあちこちを探したじゃないか。今でも その伝説の【天空の龍穴】はどこにあるのかまるっきりわからないし。しかも、神社に住む神様によれば、【護体龍珠】は赤龍の全ての力が潜む物で、あの時母さんは私たちを救うべく自分の護体龍珠を私たちにあげた。それを失った母さんは。。。もういないかも"