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俺・プリンセス  作者: 風鈴P
第9章 日常生活編
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第87話 とうぞくとうばちゅ(1)

「盗賊の討ちゅ、討伐、ですか?」

いきなり噛んでしまった。

「ええ、そうです。」

ディミトリは特に気にする様子もなく返事をした。


剣術指南を始めて2週間。

俺はマルゴワール士官学校の応接室でディミトリと会談していた。

「最近我が領内において不埒な行いをする狼藉者が現れておりましてな。レオポルド殿下の配下であった兵が身を落とした者達との噂もありますが…」

ディミトリはマルゴワール領の地図を広げた。

「目撃されているのはナイザール王国との境界方面の街道ですな。街道にある関所には我が兵が警戒にあたっておるのですが、実は街道以外にも山越えのルートがいくつかありまして、賊共はそちらから侵入してきているようです。」

「…しかしお言葉ですがそこまで分かっているのなら、何故その山越えの方を警戒しないのですか?」

「はい。実は街道をナイザール王国へ進むと最初に見えるこの城塞に置いて、5千のナイザール王国、いえレオポルド殿下派の兵が集結しているという情報がありました。我がマルゴワール領の兵は総勢でも2900しかおりません。恥ずかしい話ですが、兵をくまなく振り分ける余裕は全くないのが現実でして…」


マルゴワールとしては頭の痛い所だ。

ナイザール王国との境界にいる主力を動かせば、レオパルド派の兵が侵攻してきたときに即応が出来なくなるかもしれない。

数で劣るわけだから、出来るだけ地の利が活かせる所で戦いたいのだろう。



「しかし兄ギュスターヴは一体何してるんでしょうね…」

俺は思わず呟いてしまった。

ヘンドリクセン王救出後、兄ギュスターヴの動きがあまり聞こえてこない。

救出作戦後、バルデレミー商会の船で北方へ戻ったまでは知っているのだが。

ナイザール王国の背後を突く拠点としてマルゴワールの港を確保できたわけだから、少しでも援軍を送り込んできてもいいと思うのだが…。

「伯爵様もバルデレミー商会を通じて要請しているのですが、北方戦線が膠着していてこちらまで回せないとの返答でした。」

なるほど、兄ギュスターヴの方も余裕がないのか。

「話は分かりました。それで私の方に声を掛けて来たわけですね。上手くいけば生徒達の実戦訓練にもなるわけだ。」

「左様ですな。しかし彼等に任務が務まりましょうか?」

「んー、剣技はかなり成長してきてると思いますよ。でも実戦を経験したことないんですよね。」

俺はちょっと視線を上に向けた。

ま~でも、俺だって実戦経験が数多くあるわけじゃないしなぁ。

「ディミトリ先生。兄レオポルドの関係なら魔法使いがいるかもしれません。ですので味方に1名は魔法使いが欲しいですね。」

「ふむ。ではマルゴワール兵から派遣いたしましょう。」


んーむ、ご厚意はありがたいけど、どちらかといえば慣れたアルフレッドと行きたいかな。

「いえ、私の仲間を連れて来ても良いですか?」

「了解いたしました。生徒達からは誰を連れていきますか?」

「そうですね…」

アレクサンドルは確定だろう。

あとはこの前の模擬戦の結果を見て、上位4名程度かな。

あまり多く連れて行ってもお守をするのが大変だ。

「畏まりました。では準備を整えさせましょう。出発は明後日にて、姫様も準備をお願い致します。」

「はーい、わかりました。」


と言っても、俺の方はアルフレッドにこの事を伝えてくるくらいかな。

俺はディミトリに挨拶すると、士官学校を後にした。

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