表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺・プリンセス  作者: 風鈴P
第8章 反攻編
81/121

第75話 マルゴワール領再潜入

俺達がノワールコンティナンから帰還して3週間後、ついにヘンドリクセン王救出作戦が発動した。

発動までに得られた情報で、ヘンドリクセン王が幽閉されている城はほぼ特定できている。

それはマルゴワール領郊外、かつて初代ヘンドリクセンがナイザール王国を興すべく挙兵した地だ。

「マルゴワール伯爵家が実際の力よりも何故高い家格が維持されているのか。それは初代王に全面的に協力していた家柄だから。」

いつか、ケヴィンが俺に教えてくれた。

レオポルドが王国が興されたこの地に父王を幽閉したのは、何か意味があってのことだろうか?

「来たか。準備は出来たか? アルエット、ベルクール」

「はい、お兄様。」

俺達はケヴィン達と共に、港に停泊していたバルデレミー商会の船を訪れた。

兄ギュスターヴの一行は既に準備万端の様だ。

ギュスターヴ派の兵達も船に乗り込んでいた。

その姿を横目に見ながら、俺達一行は割り振られた部屋へと向かった。




作戦はこうだ。

前に述べたように、ヘンドリクセンはマルゴワール伯爵領内に幽閉されている。

陸路でそこに向かうのは困難だ。

陸路でマルゴワール領に向かう為にはナイザール王国領内を通過する必要がある上、街道はレオポルド勢の監視の目があるだろう。

幸いマルゴワール領には小さいながらも港があり、海路ならば監視の目を掻い潜る事も出来るかもしれない。

ナイザール王国はマルゴワール領以外で海に接していない為、海軍というものを持っていないからだ。

そしてこの船に乗り組んだもので王が幽閉されている城に潜入し、身柄を奪還する。

「んーでも、レオポルドお兄様がそれを考えてないとは思えないけどなぁ。」

俺は自分の荷物を下ろしながら呟いた。

「あー、そうだな。」

既に荷物を置いて酒をあおっていたケヴィンが俺の呟きを聞いていた様だ。

「そこで俺の出番だな。マルゴワール領に潜入するメンバーは俺の魔法で変装させちまうわけだ。」

なるほど。ケヴィンの変装の魔法は自分以外にも掛けることが出来るから、監視の目を欺くのは容易だろう。

「でもさ、戦闘になったらどうするの? ケヴィンの魔法は掛けられた人が魔力を使ったら効果が消えちゃうじゃない。」

「土壇場までは魔力を用いない戦闘が出来る奴が戦うしかないだろうな。」

そうなると俺は無理だ。

俺は剣を使うが、それは風の魔法による身体強化が無いとまともに戦えたものじゃない。

俺のパーティではカールだけになるな…。

「うーん、それじゃ俺達だと戦えるのカールだけだよ。それも獣化無しになっちゃうけど。」

「そうだな。俺の所も戦力になるのは俺とロイだけになるだろう。」

ケヴィンが腕を組んだ。

「この船に乗り込んでいる兵は戦士系の人間を集めてはいるようだ。それにギュスターヴも剣を使える。問題ないと踏んでいるんだろう。」

「そ、そうなんだ。」

俺は兄・ギュスターヴの姿を思い浮かべてみた。

確かにギュスターヴは筋骨隆々としている。戦闘に関しては彼等に任せるほか無さそうだ。

「ま、潜入時さえ姿を欺けられれば良いんだ。叔父上、ヘンドリクセン王さえ救出できればジョルジュの奴も動きが鈍くなるだろう。」

ジョルジュというのはマルゴワール伯であり、ケヴィンの義理の弟だ。

ヘンドリクセン王はマルゴワール伯爵ジョルジュにとって本来の主君であるから、王の身柄を奪還すれば俺達に対して軍を向けるのは難しくなるかもしれない。

「それにギュスターヴは王を救出出来たら速やかに軍を動かし、大陸北部から奪還していくと言っていた。レオポルドの電撃戦で雪崩を打って降参していった諸侯も動くだろう。レオポルドは戦線をかなり広げているから、迅速な対応は難しいだろうな。」

ふむふむ。俺はそういった軍略的?な事は分からないが、ケヴィンが言うならきっとそうなのだろう。

しかし。

俺は仲間を見た。

さっきも言ったように俺達はどちらかと言ったら魔法に偏ったパーティだ。

今回の様に魔法の使用を限定された作戦は初めてだ。

最新の注意を払わなければならない。

ケヴィンの変装の魔法はその魔力で姿を上書きするわけだから…。

「ん…? それなら!」

ティンときた。閃いたわけだ。

「ケヴィン、変装の魔法だけど、自分の魔力を内側から発しなければ効果は消えない?」

俺はケヴィンを見た。

「あ、ああ。そうだな。内側から魔力を発現させると覆っていた俺の魔力が散ってしまうから…。」

「なら呪文書(スクロール)なら使用できるよね?」

「そうだな。だから俺達はいくつか呪文書(スクロール)を持ち歩いているわけだが…。」

やはりそうだ。

呪文書(スクロール)は最初から効果が付与されているものと、何も付与されていないまっさらなものがある。

バルデレミーなら恐らく取り扱っているはずだ。

魔法が使えない状況でも、工夫次第できっとどうにかなる。

俺は頷きながらそう考えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ