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俺・プリンセス  作者: 風鈴P
第6章 北方洞窟探索編
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番外編 “腰抜けPT”の活動報告

~ケヴィン視点~



「おおぅ、マジかよ!」

俺は冒険者ギルドの更新情報を見て思わず声を上げた。

周りの冒険者が訝し気な視線を送って来た。

「…おっと!」

俺は周囲の視線を遮るように本を上げ、何事も無かったようなそぶりをした。

ま、今はAランク冒険者・ローランに変身しているからこんなことをしなくても大丈夫だが。

それにしてもこの更新情報には驚いた。

アスカ達がノワールコンティナンでAランク+の仕事をこなし、さらにかなりのランクアップをしていたのだ。

「…これを見るとアスカの師はテオドール・クザンだったんだな。」

パーティの代表者はAランク冒険者のテオドール・クザンだ。

テオドール・クザンはAランク冒険者というのもあり、冒険者の中ではかなり名の知れた男である。

テオドールは剣の名手だったはずだから、アスカがイアサントに勝ったというのも納得できる。

風の魔法による身体強化とテオドールの剣の技術が身につけばBランク中位くらいなら楽勝だろう。

もっとも実際に見たわけでは無いから、何とも言えないが。

Aランク+の仕事を終えたなら、謝礼金もそれなりの額を貰っているだろう。

アスカ達はその金で船に乗ってノワールコンティナンを出ようとするはずだ。

ノワールコンティナンと航路があるのはグヴェナエル共和国の港だけだ。

で、あればひとまずそこで留まるのが正解だろう。

俺は冊子を棚に戻すと冒険者ギルドを出た。

しばらく歩いていると路地裏の方から騒ぎ声が聞こえて来た。

「や、やめてください!」

若い女性の声の様だ。他に2、3名の男の声もする。

「ふむ…」

あまり関わりたくはないが、放ってはおけまい。

俺は声がした方へと走った。

路地を曲がると女性が男に囲まれていた。

男達は兵士の恰好をしていた。おそらくこの町の兵だろう。

町を守るべき兵が女性を襲うなんて嘆かわしいことだ。

「貴様ら! 何をしている!」

俺は大きな声を出した。

しかし兵達は女性を離そうともせず、その内2名は剣を抜いてきた。

「…ち!」

俺は舌打ちした。すぐ逃げてくれれば面倒なことにならないのにな。

兵のうち一人が俺に斬りかかって来た。

俺は難なく躱すと左手でその兵士の手首を掴んだ。

「悪いがちょっと骨を折るぞ。」

俺は右の掌底を前腕に向けて突き上げた。

バキ!

兵の前腕の腕が鈍い音をして折れた。

「ぐわぁぁぁ!」

兵士が大きな声を上げて剣を落とし蹲った。

「さて、お前は骨を折られたいのかな?」

もう1名の兵が一瞬たじろいだ。

俺はその隙を逃さず、兵の腹にパンチをお見舞いした。

その兵士は苦しそうに顔をゆがめ、崩れ落ちた。

俺はすぐに剣を抜いて、女性を捕まえていた兵に剣を突き付けた。

「見ての通り、お前等の腕では俺は倒せん。その女性を少しでも傷つけてみろ? お前の命は無いと思え。」

俺は最後の兵士を睨み付けた。

「く…!」

その兵士は女性を離し路地の奥へ逃げて行った。

他の2名もよろよろと立ち上がり、同じ方向へ逃げた。

「さて…、大丈夫かな? お嬢さん。」

俺はその場にへたり込んでいた女性に手を差し出した。

「は、はい…。ありがとうございま…」

女性が俺の手を掴んで立ち上がった。しかし女性はすぐにキッとした視線を向けて来た。

「でもわたくしはあの兵達を傷つけてくれとは頼んでいませんわ!」

ぺち!

女性が俺に平手打ちをした。

無茶苦茶だ。恩人である俺に平手打ちをしてくるなんて。

「あー、ありえないことだが、今の平手打ちで万が一俺が傷ついても、それは問題ないのかい?」

この女性はどこぞのシスターといった感じの人で、腕力は無さそうだ。

だから平手打ちをされたところで、何ともないのだが。

「…は! わたくしったら…、なんてことを…。すみません。」

女性がしゅんとうな垂れた。

その際にフードが落ち、顔が露わになった。

長い耳がある。この女性は長耳族だな。

「助けていただいたのに、わたくしは…」

女性は恥ずかしそうな表情を浮かべた。

「まぁ、怪我が無さそうでなによりだ。ああいう連中に会わない様に、今後気を付けるんだな。」

俺はその場を後にしようとした。

「ま、待ってください!」

女性が俺の腕を掴んだ。

「ん…?」

俺は立ち止まって女性を見た。

「あ、あの…。お願いが…」



女性が俺に何かを伝えようとしている。

面倒なことにならなければ良いのだが。

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