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俺・プリンセス  作者: 風鈴P
第5章 霧の町編
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第47話 リディの鍛錬

「100! 101!」

…鍛錬三日目。俺は相変わらず素振りだ。

いつになったら次のステップに行けるのだろう。

さて、今日のテオドールだが、リディの鍛錬を始める様だ。

「リディ、お前の能力を見せてもらいたいのだが?」

テオドールの言葉に、リディは顔をしかめた。

「それは族長様から禁じられている。本当に必要と判断したときまで能力を使うなと言われてるんだ。」

「ふむ…」

テオドールは腕を組んだ。

「しかしそれでは作戦を立てづらい。お前は能力を使わずに戦う術を持っているのか?」

「うーん、何もできないと思う。」

リディがしょんぼりとした。背中の羽もペタッと力なく垂れていて、何だか可愛い。

「うーむ、そうだな…。おい、アスカ!」

テオドールが俺を呼んだ。

「ん、なーに? もう素振りやめて良いの?」

俺は答えた。

「違う、そうじゃない。ちょっとこっちに来い。」

えー、違うのかよ。俺は仕方なくテオドールの傍に向かった。

「お前は複数の武器を具現化することは出来るのか?」

「複数? うーん、やったことはないけど、俺自身の魔力が無くならなければ出来るんじゃないかな?」

「そうか、ならば弓を具現化してほしい。」

「弓? うーん。」

俺は考え込んだ。

「それは俺自身が想像できるもので良いんだよね?」

「そうだな。オレは剣士だから実物を持ってないから、それを見せることは出来んからな。」

実物が無いのなら仕方ない。

弓なら弓道で使うような日本の弓しか想像できないけど、あれを扱うにはかなり力が要りそうだ。

リディは俺と同じく腕力はなさそうだから、厳しいかもな。

ならば、あれでいくか。

俺は黒のネックレスに魔力を込め、目を瞑った。

黒い霧が立ち込め、武器を形作っていく。

「む、これはクロスボウか。」

「うん。これなら扱いやすいと思って。」

俺は具現化したクロスボウをリディに渡した。

リディは不思議そうな表情で、それを眺めた。

「これって矢を撃つんだよね。替えの矢は?」

「ああ、これはたぶん…。やってみた方が理解が早いかな。とりあえず撃ってみてよ。」

「う、うん…」

リディは誰もいない方向にクロスボウを発射した。

矢は前方の岩に当たり、軽く爆発した。

どうやら俺が使っていた黒の短刀と同じように標的付近で爆発するらしい。

「あ、あれ? いつの間にか矢が撃てるようになってる?」

リディがクロスボウを見た。

「やっぱりそうだ。これはたぶん俺が生きていて、魔力が枯渇しなければ自動的に矢が装填されるみたい。さすがに連射は出来ないと思うけどね。」

黒の短刀と同じ理屈だ。あれは宙に浮く何本かの短刀を投げ切ると、一定時間で再び具現化が出来る。

リディに渡したクロスボウは連射するほど早くないが、通常の矢の装填程度の時間で具現化できるのだろう。

「ふむふむ、これは大したものだな。よし、リディ。お前の鍛錬はまずそれを狙っているものに撃てるようにすることだ。最初は静的目標、次は動的目標という感じだな。」

「う、うん…!」

リディが明るい表情で言った。

これでリディも戦う方法を手に入れられるだろう。

「テオドールさん。俺もそろそろ次のステップに…」

「だめだ。お前は今日も明日も素振りだ。」

「えええええええ!」

カールもリディも順調にステップを踏んでいけそうなのに、俺はまだ進めないのか…。

俺はガクッと肩を落とした。

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