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俺・プリンセス  作者: 風鈴P
第5章 霧の町編
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第42話 俺の料理

ジュワァァ!

「アスカ! 焦げる焦げる!」

「ふぬぬ…」

俺は宿の厨房から借りたフライパンを必死に振った。

「アスカ、手伝おうか?」

リディが横からのぞき込んできた。

「いい! 自分でやる…!」

「いっぺんに食材入れ過ぎなんだよ…」

リディはやれやれといった表情を浮かべた。

「も、もう手遅れだからやるしかないでしょ…!?」

何とか食材を炒め終え、俺は大皿に料理を盛りつけた。

「盛り付けのセンス…、無いね。」

自分でもそう思う。形がおかしい食材を使っているにしてもちょっと宜しくない。

「む~、次はうまくやるもん。」

俺は肉と野菜スープが入った鍋を見た。

「こっちはうまく煮えてるかな?」

「さっき味見したけど美味しかったよ?」

カールがにこっと笑いながら言った。

「もぅ! 勝手に味見してー!」

俺はカールの頬を突いた。

「ごめんなさいー!」

アルフレッドに色々と助言もらいながらとはいえ、何とか自分で料理を作り終えた。

結構楽しいものだ。

ガチャ!

部屋のドアが開いた。ガストンが帰って来たのだ。

「あ、おかえり。ガストンさん。」

「ああ。しかしちょっと香ばしい気もするが、中々美味そうな匂いがするな。」

「うん! みんなに教えてもらって、俺が作ったんだよ!」

ガストンがテーブルの上に置かれた料理を見た。

「ふむ。まぁ見た目はちょっと個性的だが、まぁ食べてみてからだな。」

「そ、そうだよ! 大切なのは味! さ、みんなで食べよ?」

俺は皆を促し席に座らせた。

「それじゃ頂きまーす!」

俺達は料理を食べ始めた。




「ふー、食った食った。味は中々だったぞ、アスカ。」

ガストンは椅子にふんぞり返りながら言った。

「ほ、本当?」

俺は目を輝かせた。

「そうだね、僕もそう思うよ。」

アルフレッドが俺を見て笑いかけた。

カールやリディも美味しく食べてくれたみたいた。

初めて作った料理の評価が高いと、かなり嬉しいものだ。

「さて、食事も終えたことだし、俺から話良いか?」

ガストンが俺達を見た。

「…? 何ですか?」

「ああ、ヘリオスの記録を持って行った件だ。」

「それですか。どうでしたか?」

「うむ。やはり色々と調べられたよ。どこで、どういう経緯で見つけたのかってな。お前らの事やリディの村についてはぼかしながら説明をしておいたがな。ところでヘリオスという人物だが…」

ガストンがグラスの酒を一口飲んだ。

「他の大陸の王族からの依頼で、ノワールコンティナンの探索をしていたらしい。依頼主は分からんが、現在人間が踏み入れない領域、つまり魔族が支配している領域の探索をしてたようなんだ。」

「魔族が支配している領域ですか。」

「魔族と言っても、色々な種族がいる。リディやその一族の様に人間に敵意を持っていない者も多くいるが、そうでないのもいる。リディ、お前はこの大陸を支配している魔族について何か知っているか?」

ガストンがリディを見た。

「詳しくは知らない。でも支配に従わなかった俺の一族を迫害した者の名前だけなら知っている。魔王リカロス、というやつだ。」

「ま、魔王? そんなのがいるの…?」

俺はリディを見た。

「リディの言う通り、この大陸には魔王を名乗る者がいるらしい。俺もギルドで色々調べてみたのだが、かつてはこの大陸は霧に覆われておらず、今その魔王が支配している領域にも人間の町があったそうだ。それ以前にも魔王がいたらしいのだが、勇者と言われた人間がその魔王を討伐し、その町が建設されたそうだ。だが時が経ち以前の魔王よりも強大な魔王が現れ、この大陸の大部分を支配し、今のノワールコンティナンになったそうだよ。」

「ほえー、そうなんだ…」

「もっとも、この話は伝説に過ぎず、何も証拠は無いらしいがね。ヘリオスはこの伝説について調べるために、霧の中を探索していったんだろうな。」

そこまで言うと、ガストンはグラスの酒を飲み干した。

「ま、俺達には魔王がどうだとかは関係ない。俺達がすべきことは、ナイザール王国がある大陸に渡り、仲間を探す事だろ?」

「そうですね。でもその方法はあるんですか?」

アルフレッドが言った。

「ああ、この町から少し東に港がある。そこから船が出ているのだが、渡航費がかなり高いようだ。この全員分となると、持ち合わせでは全然足らんな。」

「そうですか…」

「ま、そこは俺達は冒険者だからな。冒険者ギルドで仕事を探して溜めていくしかないだろう。場合によってはカールとリディも登録してみてもいいかもしれんな。」

「冒険者!? なるなるー!」

「俺も!」

カールとリディがはしゃぎながら言った。

冒険者は簡単なものじゃないんだけどな…。

もっとも俺が冒険者になるって言ったとき、きっとケヴィンは同じように思ったのかもしれないな。

…とりあえず俺達がすべきことは少しずつ見えて来た。

ここはがんばるしかない。


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