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俺・プリンセス  作者: 風鈴P
第4章 ノワールコンティナン・黒の大陸編
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番外編 “腰抜け”PTの脱出

~ケヴィン視点~



「いたな、あの人数を押しとどめるとは大したものだ。」

俺の視線の先にはロイが戦っていた。

既に3名を倒していたが、更に4名の兵士が迫っていた。

「ま、あれは手伝ってやらんとな。」

俺は剣を抜いた。

「ロイ! 手伝うぞ。」

「はん! ケヴィンか! 遅えよ!」

カァン!

俺は戦闘の兵士に斬りかかった。

兵士はそれを受け止めるが、俺は構わず押し込んだ。

「はっ!」

俺は左手を兵士の腹部に押し当てた。

俺の左手の指輪には緊急用に魔法を仕込んである。

ドン!

兵士が吹っ飛んだ。衝撃波の魔法だ。

吹っ飛んだ兵士が後ろの兵士をもなぎ倒した。

「よし、ロイ。ここはもういい。カサンドラ達の方に向かうぞ。」

「位置は掴めているんだろうな?」

「勿論だ。」

俺とロイは市場の方へ向かった。

数分後、俺達は市場のはずれに到着した。

…が、ここの助太刀は必要なかったようだ。

獣化したノーラが全ての敵兵を倒してしまっていた。

ノーラはかつて俺達とパーティを組んでいた仲間だ。

近接戦闘においては俺達の中で最高の戦闘力を持っていたやつだ。

「おいおい、殺してねえだろうな? ノーラ。」

「グルル…、こんな弱い人間を殺してどうする? ちゃんと手加減しておいたよ。」

違うな、お前が強すぎるんだ。

「とりあえず今はこの国から脱出だ。まずは身を隠すぞ。」

俺達は仲間と共にこの先の転移魔法陣のある神殿に向かった。




「ふむ…。」

俺達は神殿に入り、転移魔法陣を調べた。

「どうだ? ケヴィン。」

ラカンが俺に話し掛けて来た。

「こりゃダメだな。かすかに魔力の流れは感じるが、魔法陣を起動できるような状態では無いな。」

「この魔法陣での脱出は無理か。これじゃアスカ達には追いつけないわね。」

「あいつらはこの魔法陣を起動するためにアスカの魔力を使ったんだろうな。」

「行き先はどこなのかな?」

「分からねえな…。まぁBクラス冒険者のガストンってやつにお守は頼んでおいた。アルフレッドもいるし、うまくやるだろう。」

ケヴィンが腕を組んだ。

「ウチの息子もいるんだ。あの子はまだ子供だけど、それなりに戦いはこなせるわ。きっと平気よ。」

人型に戻ったノーラが言った。

「それじゃ俺達は別の方法で脱出しなければならねえ。ノーラは、獣化してから戦いに行ったんだろ?」

「勿論よ。」

「じゃあ大丈夫だ。面は割れてねえ。ま、俺達も変身の魔法で問題なしだがな。」

「伯爵領は大丈夫なのかな? レオポルドの兵に攻め込まれたりしないかな?」

ロイが口を挟んできた。

「んー、ま、レオポルドの性格からして戦争を仕掛けるよりは俺達を探すのに時間かけるだろうな。ま、無意味なのも知っていようが、まったく何もして来ないってこともあるまい。さて…」

俺はノーラの方を向いた。

「ノーラ、今回は手伝ってくれてありがとう。お前のお陰でアスカ達を逃がすことが出来た。礼を言うよ。」

俺は手を差し出した。

「ふふふ、仲間じゃないか。当り前さ。ま、私のお陰でラカンやカサンドラ達がケガ一つ無かったわけだけどね。」

「ちょ、ちょっと! 私達だけでもやれたわよ!」

カサンドラが不機嫌そうな顔になった。

「ははは、嘘だよ、カサンドラ。私ら3人で協力したから、だよな?」

ノーラが笑いながら言った。

「…でも久しぶりにみんなと行動出来て楽しかった。みんなと一緒に冒険してたころをちょっと思い出したよ。」

ノーラも手を出し、握手した。

「早くアスカ達を見つけてあげて欲しい。ウチの息子の心配はあまりしていないが、長く会えないのも寂しいからな。」

「ああ、分かってる。任せておけ。」

俺が力強く言った。

その後俺達は魔法で変身した。

俺達はノーラを別れ、異国へ向かうキャラバンに紛れ込んだ。

キャラバンを護衛する傭兵という触れ込みだ。

マルゴワール兵やレオポルドの兵の検問はあったが、そんなもので俺達を見つけられるはずがない。

「なあ、アスカ達はどこに転移したんだろうな?」

ある夜、キャラバンの宿営地での護衛任務で一緒になったロイが話しかけて来た。

「あの魔法陣は恐らくかなり古い奴だ。かつては世界の各大陸間を結ぶ魔法陣があったそうだ。ノワールコンティナンにもな。」

「…ノワールコンティナンだとしたら、結構やばいんじゃねえか?」

「簡単ではないだろう。だが、お守を頼んだガストンは、話した感じ結構歴戦の冒険者のようだ。アスカ達に足りない部分を任せるしかあるまい。」

「そうだな…」

アスカやアルフレッドはまだ俺達と出会ってひと月程しかたっていない。

だがここまで一緒にやってきた仲間だ。俺達が無事を信じてやるのは当たり前のことだ。

俺は空に輝く星を眺めながら思った。

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