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俺・プリンセス  作者: 風鈴P
第4章 ノワールコンティナン・黒の大陸編
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第37話 本当は…

「風呂沸いたよ。」

アルフレッドが家の中に入ってきた。

アルフレッドが火の魔法でお風呂を沸かしてくれたのだ。

「リディ、お風呂入ろー。」

カールがリディの腕を引っ張った。

「え、お、俺は良いよ。」

リディは振り払った。

「えー何でぇ?」

「俺はみ、みんなの後で一人で入りたい。」

「さっき言ってたでしょ。ここは客用の家だから、お風呂も大きいって。」

カールがむくれた。

「そりゃアスカお姉ちゃんみたいに女の子なら、一人で入っても良いと思うけどさ…」

「とにかくやなの!」

リディはさささっと俺の後ろに隠れた。

「カール、嫌がってるものを強制しちゃダメでしょ。」

俺はカールを諭した。

「ぅ~、分かった。」

カールはしぶしぶ頷いた。

「じゃ、俺ら3人は先入ってくるわ。お前達はのんびり待っていてくれ。」

ガストン達は風呂場に入って行った。

「・・・」

リディが俺の服をぎゅっと掴んでいた。

俺より5センチくらい背が小さいだけだが、中身は結構子供なのかな。

「そんなにしがみ付かなくても大丈夫だよ。」

「う、うん。」

リディが手を放して近くのソファに座った。

「でもそんなにみんなと入るのが嫌なの…?」

俺はリディの隣に座って、頭を軽く撫でた。

「・・・」

リディは口を尖らせた。

「言いたくないのなら言わなくても良いけど…」

「…アスカとなら、いい。」

「え? やーねー、そんなに女の子の裸が見たいの?」

俺は笑いながらリディの頬をグリグリした。

「そ、そうじゃない…」

リディは笑わない。

「ん…?」

俺はからかって言ったつもりだったのだが、リディは笑わなかった。

これはもしや…。

「リディ、まさかとは思うけどさ。」

俺はリディの横顔を見た。

「あなた、女の子なの…?」

「う、うん…」

その問いにリディは顔を赤らめながら答えた。

「えええ、本当?」

「本当だ。」

「本当に本当?」

「本当だよ! 嘘だと思うなら見てみるか?」

リディが服のボタンに手を掛けた。

「い、いや、良いって! 信じるよ。」

俺は制止した。

制止はしたが、ボタンが外れたところから少しふくらみがあるのが見えた。

いや、見えてもどうも思わないわけだが(俺は今女であるし…)。

「でも、俺、なんて言ってるから、てっきり男の子かと…。みんなそう思ってるよ。」

「アスカ、お前も、俺って言ってる。」

「それはそうだけどさ…」

確かに男の子にしては細身な体ではある。

魔族の年齢とか成長の仕方は良く分からないが、人間に直したらまだまだ子供なんだろう。

出るとこはあまり出ていない。(アルエット)よりも。

72な人並なカップであろう。

「俺、別に隠してたわけじゃない。でも、中々言う機会無かった。」

リディは少し俯いた。

「分かったよ。でもカールは自分が嫌われてるから嫌がったと思ってるかもしれない。そこだけは謝ってあげないと。」

「う、うん。分かってる。カールには謝る。」

最初はいたずら好きな子供かと思ったが、意外に素直だったんだな。

「そうだね。言いづらかったら、俺がみんなに説明してあげるから。」

「いい、自分で言う。アスカ、ごめんね。」

「いいよ。俺には謝らないで。」

俺は笑いながら答えた。




「えええええ!」

お風呂から出て来てほかほか湯気を上げているカールが大きな声を出した。

「カール、早く頭拭きな。風邪引くよ。」

アルフレッドがタオルを渡した。獣人であるカールは毛が多い部分は中々水分を拭きとれないのだ。

「うん。」

カールはタオルで自分の頭をわしゃわしゃ拭き始めた。

「カール、さっきはごめん。俺、お前の事嫌いだから言ったんじゃない。その、恥ずかしくて…」

リディはぺこっと頭を下げた。

「ううん。ボク、怒ってないよ。キミはちゃんと謝ってくれたし、友達だもの。」

カールがにこっとした。

「良かった…」

リディはほっとしたような顔になった。

「じゃあリディ、私とお風呂入ろうか?」

俺はタオルを二人分持ちながら言った。

「うん、俺、アスカと入る。」

リディは嬉しそうな顔で答えた。

「いこいこ。男衆、女の子二人入ってるからって、覗きに来ちゃだめだよ?」

「はっはっは、誰がガキの体なんて見に行くかよ。」

ガストンがふんぞり返りながら酒を飲みつつ言った。


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