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俺・プリンセス  作者: 風鈴P
第3章 アスカの旅立ち編
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第26話 一人でのお仕事探し

初仕事から数日、俺は一人で冒険者ギルドを訪れた。

「こんにちは~」

俺は扉を開けた。

「あら、いらっしゃい。今日はどうしたの?」

長耳族の受付のお姉さんがニコニコしながら言った。

「えー、私冒険者ですよぉ? 冒険者ならお仕事探しに決まってるじゃないですか。」

「それはそうよね。でも、今日は彼氏は一緒じゃないのね。」

「かか、彼氏…!?」

俺は顔が熱くなった。

「ふふふ、冗談よ。で、どんな仕事が良い?」

「そうですね、森とか洞窟探索モノはありますか?」

「そうねえ、Eランクだとそういうのあまり無いのよ。Dランクなら、北の森への薬草収穫の警護ってのがあるわ。」

お姉さんが広告を取り出した。

「んー、これは難しいんですかね。」

「そんな事ないとは思うけどね。警護は5名で行うもので、一人でやるわけじゃないし。心配なら、彼氏さんと一緒に参加すればいいんじゃない? 彼、どうみてもEランクレベルの実力じゃないし。」

「えー、私はどう見えますか?」

「あなたは可愛いから冒険者にすら見えないわ。」

「酷ーい!」

俺はむくれた。でもこのお姉さんはお世辞を言わないから逆に好感が持てる人だ。

「とりあえずこのお仕事やります。登録しておいてくれますか?」

「はいはい、分かりました。」

お姉さんがいつもの手続きをした。

「集合は2日後よ。場所はここで良いからね。」

「はーい。」

俺は登録を済ませ、宿屋に戻った。




2日後の朝、俺は支度をしていた。

「えーと、念のため水筒と非常食持ってー」

小さい袋に荷物を詰めた。

「え、アスカ、一人で行くの?」

アルフレッドが心配そうな顔で話しかけて来た。

「大丈夫だよ。Dランクだし、全部で5人でいくみたいだからさ。」

「うーん…」

もう、アルフレッドったら過保護なんだから。

「あ、この前お願いしてたの出来た?」

「ああ、出来てるよ。」

アルフレッドが箱から指輪を取り出した。

風の短剣に付いていた宝玉を指輪に取り付けたものだ。

実際に魔力を込めているのはこの宝玉だし短剣で戦うことはない為、指輪に付けてもらったのだ。

「ありがと! 大事にするね。」

俺は微笑んだ。

「じゃ、行ってきまーす。またね!」

俺は心配そうな顔のアルフレッドに笑いかけると、宿屋を後にした。




冒険者ギルドに着くと、既に参加者が集まっていた。

剣士風の人や、魔法使い風、冒険者風の人などが4名いた。

「あのー、あなた達薬草収穫の人の警護の人?」

「ああ、そうだけど…?」

剣士風の人が訝し気な目で見て来た。

「私も仕事を引き受けた冒険者で、アスカ・エール・フランクールです。よろしくお願いします。」

俺はペコリと頭を下げた。何事も第一印象が大事なのだ。

「ええ、あんた戦えるのか?」

冒険者風の男が信じられないと言ったような顔になった。

「はい。キャタピラー程度なら一撃で倒すことが出来ます。」

まあ、間違いではないだろう。たぶん。

「おお、そいつは中々すげえな。キャタピラーは硬いからな。」

「さて皆さん、準備は良いですか? 私どもが今回貴方方に警護をお願いしております、ダブリール商会の者です。今日はよろしくお願いします。」

えーと、ギルドで見たチラシの情報によると、ダブリール商会というのは森で獲れる薬草類を販売しており、一般の人には中々取りに行くことのできないものも販売しているらしい。

「私どもは2名で、荷物運搬用の馬を連れております。2名の方が先導して頂き、横に2名、後ろに1名の配置でお願いします。」

ダブリール商会の商人が指示を出していく。

俺は剣士風の男と先導役になった。

「おい、あんた、ランクは?」

剣士風の男が話しかけてきた。

「まだ冒険者になり立てなので、Eランクですよ。」

「ふーん、実戦経験はあまりねえのか。」

「そうですね。」

俺は視線を合わせずに答えた。

こういう人はあまり相手にしたくないタイプだ。

さて一行の警護だが、往路は驚くほど何も起きなかった。

森に行くというから魔物でも出るんじゃないかと思ったけど、拍子抜けだった。

一行は目的地である薬草の群生地である、泉に到着した。

「よし、ここで私どもは収穫を行います。皆さんは周辺の警護をお願いします。」

俺は剣士風の男の傍からは離れ、森の奥を見た。

「・・・」

俺は目を瞑り、指輪に少しだけ魔力を込めた。

先日発見したのだがこの風の宝玉は魔力を少し込めた状態で感覚を研ぎ澄ますと、辺りの風の流れを感じることが出来るのだ。

まだそんなに遠くまでは分からないが、何かしらが接近してくると風の流れが乱れる。

それを探知できればレーダーみたいに使えることが可能だ。

「何かが来る…数は8から10くらいだ。」

俺は森の奥を見た。

「…みんな、森の奥から何かが来る! 人の様だ。」

俺の声に、警護の4名がハッとして、俺が言った方向を見た。

「あれは盗賊だな。戦闘準備!」

剣士風の男が叫んだ。

警護っていうくらいだから戦う可能性があると思っていたが、まさか盗賊が出るなんで!

これは俺にとって初めての本格的な対人戦闘だった。


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